農業施設
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21 巻, 1 号
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  • 乳牛の大きさおよび牛床の長さが乳房の汚れおよび乳房清拭作業に及ぼす影響
    佐原 傳三, 相原 良安, 市川 忠雄, 川西 啓文, 長島 守正
    1990 年 21 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    乳牛の大きさ及び牛床の長さが乳房の汚れ及び乳房清拭作業時間に及ぼす影響を明らかにするために, ロストル式糞尿混合型糞尿溝を備えた幅が130cmで長さが160cm, 170cm及び180cmの3種類の牛床を設置し, これに大きさの異なる6頭の搾乳牛を繋留し, 各寸法ごとにそれぞれ3日間づつ, 乳房の汚れ及び乳房清拭作業時間を測定した。
    乳牛の大きさ及び牛床の長さの影響についてみると, 牛床の長さが一定の場合は乳牛の体重が小さくなるほど, また, 乳牛の体重が一定の場合は牛床が長くなるほど, 乳房の汚れが大となり乳房清拭作業時間が多くかかる傾向が認められた。これらの関係を朝作業時の成績で示すと, 乳房付着糞乾物重量及び乳房清拭作業時間は, 乳牛の体重が10kg減少することに167.3mg及び8.6秒増加し, 牛床の長さが1cm増加するごとに148.4mg及び6.5秒増加した。
    つぎにこれらの実験結果から, 朝作業時の乳房清拭作業時間が一定の場合の乳牛の体重と牛床の長さとの関係を求めたところ, 乳牛の体重が10kg増加するごとに牛床寸法は1.3cm長くなっていた。この関係は既存の各種の体重別牛床寸法基準から求めた同様の数値よりもやや大きい値であり, 乳房清拭作業時間を一定にすることを重視して牛床寸法を決める場合には, 既存の基準は再検討すべきものと思われた。
  • パイリントラ R., 清水 浩, 木谷 収
    1990 年 21 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    上向流式炉の下向流式炉に対する有利な点としては, 発生ガスの温度が低いこと, ガスに含まれる粉塵や固体タールが少なく, 従って, エンジンの中での詰まりの問題が無いことがあげられる。本報は上向流式炉の好適な制御条件をシミュレートする方法を, 以前の実験結果を用いて研究したものである。この炉からの主な発生ガスはCOである。このシミュレーションの結果によると, 可燃性のガス (CO, H2) の発生量を増加させるために, もみ殻の質量に対して6.5%の水, 174.1%の空気を燃焼炉に供給したとき, 発生ガスの温度は150℃, ガスの熱量は4,765kJ/m3となり最も良い条件であることが分った。さらに, この条件下では, 原料の質量に対して33.2%の液体タール (熱量17,765kJ/kg)も得られた。
  • 高畑 英彦, 川本 常美, 梅津 一孝
    1990 年 21 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    本研究は酪農家向け寒地型バイオガス生産システムの開発を目的とし, 無敷料スタンチョン牛舎脇に試作装置を設置し, 乳牛スラリー (平均固形分濃度9.59%) を用い発酵槽内温度を42.5℃に設定し連続運転を行った。本報は, 1日1回投入 (400l×1) と分割投入 (100l×4) について有機物負荷を7.6gVS/(l・d) 前後, 滞留日数10日の条件下でガス発生パターンと槽内各部の原料の温度変化並びに発酵状態について比較検討を行った。実験期間中, 投入方法による1日当りバイオガス生産量に差は認められなかったが, 発生パターンに特徴が認められた。すなわち, 1日1回投入の場合, 原料投入直後, バイオガス発生量は急増し, 約2時間でピークに達し, 緩やかに減少し, 元のレベルに戻るのに対して, バイオガス中のメタン濃度はバイオガス発生量の増加と共に減少し, バイオガス発生量の減少と共に快復するという発生パターンを示した。また, 1日4回投入の場合, バイオガス発生量並びにバイオガス中のメタン濃度は安定し, 1日平均のメタン濃度についても1日1回投入よりやや高くなる傾向が認められた。
  • 前川 孝昭, 中野 和弘, 山沢 新吾, 鈴木 貞之
    1990 年 21 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    実用化レベルでの二相式メタン発酵装置の熱収支解析を行い, 保温設計の際に必要な発酵槽の熱的特性値を算出した。その結果, 冬期での酸発酵槽およびメタン発酵槽における見かけの総括伝熱係数は, それぞれ1.41, 2.08kcal/(m2・h・℃) であり, 各発酵槽内壁面における境膜熱伝達率は, それぞれ29.83, 28.75kcal/(m2・h・℃) であった。また全供給熱量に対する発酵装置の熱損失割合は, 冬期の場合メタン発酵槽系が35.6%で最大であり, 夏期は温水管系が34.9%で最大であることがわかった。
  • 敷料使用量が牛床・乳房の汚れおよび乳房清拭作業時間に及ぼす影響
    佐原 傳三, 相原 良安, 市川 忠雄
    1990 年 21 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    繋ぎ飼い式乳牛舎において敷料 (オガクズ) を1日1頭当り4kg (4kg区) あるいは2kg (2kg区) を投入した場合と, 全く用いなかった (0kg区) 場合の牛床や乳房の汚れおよび乳房清拭作業時間に及ぼす影響について, 3頭の搾乳牛を用いたのべ18日間の実験で検討した。
    牛床の汚れ面積および乳房付着糞乾物重量はともに, それを使った場合 (4kg区および2kg区) には, それを使わなかった場合 (0kg区) と比べて値が小さくなり, また朝作業時の値は夕作業時のそれよりも常に大きな値となることが示された。乳房清拭作業時間についても同様な結果であった。4kg区および2kg区とを朝夕別に検討すると, 牛床の汚れ面積は朝作業時にだけは両区間に差異を認めなかった。乳房付着糞乾物重量は朝夕ともに0kg区と2kg区の間に差異がなく0kg区と4kg区との間にだけ差異を認めた。乳房清拭作業時間は夕作業時にだけ0kg区と2kg区の間に差異がなかった。
    以上のことから, 敷料使用量は1日1頭当り2kgより4kg使用の方が, 牛床・乳房の汚れを少なくし, 乳房清拭作業時間の短縮に有利なことは明らかであるが, 少しでも敷料を節減するようなそして効果的な投入法としては, 1日の使用量を均等に半量ずつ朝夕に用いるのでなく朝作業後に2kg, 夕作業後には1kgを投入する1日3kg使用方式で1日4kg使用と同じような効果を期待できることが分かった。
  • 曹 光煥, 青木 明善, 宮武 義邦, 吉崎 繁
    1990 年 21 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    マイクロ波乾燥法の籾への導入を目指してマイクロ波間欠照射による籾のバッチ式流動層乾燥実験を行い, 籾のマイクロ波乾燥特性, 特に乾燥速度と乾燥仕上り籾の胴割れ発生程度について検討した。その結果, マイクロ波乾燥が加熱熱風乾燥より乾減率ポテンシャルを数十倍高め得ることが知られ, また流動層乾燥が静置乾燥よりもマイクロ波正味照射時間当り乾減率を10-20%高め, 乾燥過程中胴割れ率増加量を5-9%低下させることも明らかとなった。籾水分はマイクロ波照射過程に30-40%, 休止過程に60-70%減少し, 籾温度を高めて乾燥するほど充分な休止過程を設け, 籾粒子内部の水分の均一化を計れば乾燥過程中発生する胴割れを低下させることが分かった。
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