農業施設
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50 巻, 4 号
第50巻第4号(通巻163号)
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  • 西島 也寸彦, 水谷 孝一, 海老原 格, 若槻 尚斗, 久保田 健嗣, 宇賀 博之
    2019 年50 巻4 号 p. 140-145
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/09/28
    ジャーナル オープンアクセス
    難防除害虫であるコナジラミ類は,配偶行動時に雌雄が音を用いて交信し,その交信音は種やバイオタイプ毎に異なることが報告されている。コナジラミ類においては,異なる種やバイオタイプ間での交雑はほとんど確認されていないことを鑑みると,音響交信は,その配偶行動に重要な役割を果たしていると考えられる。そこで,本稿では,コナジラミ類の交信音を人工的に抑制する仕組みを構築するとともに,交信音の抑制が配偶行動へ及ぼす影響を検証した。その結果,寒天をコナジラミ類が寄生している葉体に付加することで,コナジラミ類の交信音を効率よく抑制できることを見出した。さらに,寒天を付加した葉体に放飼したコナジラミ類の交尾回数は,寒天を付加していない葉体に放飼した場合と比較して,有意に低下することが明らかになった。従って,コナジラミ類の音響交信は,その配偶行動に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
  • 味藤 未冴来, 青木 拓也, 川岸 卓司, 水谷 孝一, 善甫 啓一, 若槻 尚斗, 前田 祐佳, 竹前 喜洋, 西藤 岳彦
    2019 年50 巻4 号 p. 146-157
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/09/28
    ジャーナル オープンアクセス
    豚インフルインザの初期症状として,豚のくしゃみが増加する。感染豚特有のくしゃみ多数収集は困難であるため,くしゃみ分類器は少数の音響特徴量を利用することが望まれるが,従来法の分類性能は F 値60%程度で留まり,異なる環境・音響特徴量との性能比較がされていない。本稿の目的は,収録環境に依存しにくく,少数の音響特徴量を用いる高性能なくしゃみ音分類器の構築である。まず,複数種類の豚インフルエンザ感染時の豚の動画像・音信号を,複数位置で約2週間収録し,音信号から定めた検出基準のもとで音響イベントを74533サンプル自動検出した。音響イベントの一部に対し,動画像を併用しながらラベル割当てを施し,くしゃみ144サンプルを含む音響イベントを収集した。音響イベントから様々な音響特徴量を抽出し,Support Vector Machine に基づく分類器を構築して,分類性能を比較評価した。結果として,Mel Frequency Cepstral Coefficients およびスペクトルの立ち上がりの鋭さを表現した特徴量,低周波帯の周波数変動を表現した特徴量を併用した場合,従来法より大幅に高い F 値92.8%でくしゃみ分類を可能とした。さらに,学習済分類器を用いることで,3764 サンプルのくしゃみ音の検出を可能とした。これらにより,少数の音響特徴量を用いた,収録環境に依存しにくいくしゃみ自動判別器が構築された。
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