農業施設
Online ISSN : 2186-0122
Print ISSN : 0388-8517
ISSN-L : 0388-8517
33 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 画像情報の取得および同情報に基づく等級判別の試み
    佐竹 隆顕, 常 勝威, 大森 定夫, 藤岡 修, 阪田 治
    2003 年33 巻4 号 p. 217-224
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    現在, 中国における緑色干しブドウの等級選別は, 選果場において目視と人手により行われており, 判定の個人差および外観品質の定義の不明確さなどのために, 均一な等級選別には多くの課題が残されている。本研究では, 汎用画像処理装置を用いて緑色干しブドウの外観品質情報の取得を行い, 選別装置の開発に向けた基礎的な知見を得る一方, カラー画像センサによる等級判定の可能性を検討した結果, 特徴的な果皮色においてしきい値を適切に設定することにより, 目的の秀, 良, 格外の3等級区分に平均で91.4%の判別率で判別可能であることが明らかとなった。
  • 古野 伸典, 佐瀬 勘紀, 石井 雅久, 川村 啓造, 阿部 清
    2003 年33 巻4 号 p. 225-231
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    積雪地域においても, 園芸用施設を導入する農家が増えている。しかし, 連棟ハウスは作業・暖房効率が高い反面, 屋根谷部の積雪荷重が構造上の問題点となるため, 導入例は少ない。そこで, 温風暖房機を用いて連棟ハウスの屋根谷部に温風を送風する融雪システムを試作し, 送風方式と融雪能力の関係について調査・検討を行った。
    その結果, 試験を行った3種の送風方式とも, 送風ダクトの風速および気温の低下の影響により送風方向に対して下流で融雪の遅れがみられるものの, 融雪システムが停止するまでには屋根谷部の積雪を融雪することができた。
    一方, 本システムが示した融雪量の最大値は1.6kg/m2/hあり, 1日あたりの融雪量に換算すると約38kg/m2となる。この値は, 山形における15年再現期間の新積雪重量と一致する。しかし, 融雪量は調査時刻により大きく変動しているため, 融雪能力を評価する場合には, 降雪量を考慮する必要がある。
  • 超音波吸収特性について
    守田 和夫, 山口 安弘, 田中 史彦
    2003 年33 巻4 号 p. 233-238
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    籾層の超音波乾燥を考える上で基礎となる超音波吸収特性について研究を行った。籾層内における超音波減衰についての実験では, サンプル箱に籾を堆積しない無負荷時における音圧 (以下, 無負荷時音圧) を141.1~158.3dBとし, 厚さ0~120mmの籾層通過後の音圧を測定することによって, 籾層の超音波吸収特性を明らかにした。その結果, 籾層内を通過する超音波強度は, 層厚に対して指数的に減少することが示された。つぎに, 超音波による加熱効果についての実験では, 超音波振動エネルギーが熱エネルギーに変換されることをエネルギー収支計算により明らかにした。
  • 乾燥特性について
    守田 和夫, 山口 安弘, 田中 史彦
    2003 年33 巻4 号 p. 239-245
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    本報では, 籾の超音波乾燥特性について考究した。まず, 通風乾燥法 (無照射区) と超音波照射併用通風乾燥法 (照射区) について比較を行った結果, 超音波を照射することによる乾燥の促進効果が示され, この促進が加熱作用のみによるものでは無いことを示した。つぎに, 超音波照射による籾層垂直方向の含水率分布について検討を行い, 堆積層における含水率むらの発生について考察した。最後に, 仕上げ米の品質について無照射区と照射区との味度値の比較を行った。
  • 吉田 恭一郎, Jung-Sik MIN, Jung-Bok PARK, 五十部 誠一郎, 鈴木 鐵也
    2003 年33 巻4 号 p. 247-253
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    環境負荷低減を目的に農業資材として強酸性電解水を使用した種籾消毒処理について検討した。まず基礎的な検討として, 寒天ブロックにイネもみ枯細菌を植菌したモデル実験において, 各種殺菌効果の測定を行なった。さらに走査電子顕微鏡による状態変化の観察および蛍光染色による生死判別等の表面観察を行った。種籾を使用した検討では, モデル実験と同様の各種消毒効果の測定や走査電顕および蛍光染色による表面観察, さらに50Lタンクを使用したスケールアップ試験を行なった。また, 種籾への影響を検討するため発芽試験を行った。その結果, モデル実験においては, 他の処理と比較して強酸性電解水の高い殺菌効果が認められた。表面観察からも微生物の存在状態に違いが認められた。一方で, 種籾を使用した実験では, 殺菌効果の確保のために処理方法の工夫が必要であることが明らかとなった。
  • 吸引通気式堆肥化の特徴
    阿部 佳之, 福重 直輝, 伊藤 信雄, 加茂 幹男
    2003 年33 巻4 号 p. 255-261
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    環境負荷低減型堆肥化処理の技術開発を目的として, 吸引通気式堆肥化処理を検討した。有効容量431Lの反応槽を備え, 吸引通気後の排気中アンモニアを全量回収可能な実験系を試作し, 堆肥化試験に供試した。吸引通気式の発酵温度は従来の圧送通気式に比較してやや高温で推移したが, 処理後の堆肥の品質 (温度むらや有機物分解程度) については両者に大きな差は認められなかった。堆肥化に伴って発生するアンモニアは, 吸引通気式で十分吸引することができ, 堆肥材料表層からのアンモニア揮散はわずかであった。しかし, 吸引通気式では吸引配管内での結露水と堆肥からのれき汁とが混ざった排液 (ドレイン) が発生するため, ドレインの発生量を把握し, これらの処理・利用方法を検討することが今後の課題となった。
feedback
Top