農業施設
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22 巻, 3 号
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  • 岩渕 和則, 上出 順一
    1992 年22 巻3 号 p. 145-149
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    含水物質の熱物性値を求めるための簡便法を考案した。この方法はプローブ法を応用しており, 構造が簡単で, 熱伝導率と熱拡散係数を同時に求めることができる。また, 非定常温度場における測定であるため, 水分を含んだ物質 (果実, 土壌等) に適応できる。
    本測定装置の精度を求めるため, 水と熱物性値がほとんど等しい1%寒天ゲル (38サンプル) を測定した結果, 熱伝導率は-4~+12%, 熱拡散係数は-8~+16%の精度であった。
  • 池口 厚男, 奈良 誠
    1992 年22 巻3 号 p. 151-159
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    現在までに一連の模型実験が行われた豚舎を対象として, 夏期の換気条件のもとに換気量一定における換気方式; (1) 吹出気流方向, (2) 吹出気流速と舎内汚染質の濃度分布との関係を明らかにした。尚, 本研究においては, CO2を汚染質の対象とした。吹出気流方向はCO2濃度分布に影響を与えたが, 吹出気流速に対しては, 有意ではなかった。本研究の条件においては, 吹出気流方向が45°の場合, すなわち吹出気流が直接豚房内に流れ込む方向の場合, 豚房内および舎内の平均無次元濃度は, 他の吹出方向と比較し最も小さくなり適切な吹出方向であった。上述のことは舎内汚染空気を除去する際に, 換気量を変えずとも吹出方向のみによって除去が可能であることを示唆するものである。逆に吹出方向が適切でない場合, 舎内の汚染質は除去されず, たとえ換気量を大きくしても除去されない場合があると予測される。
    吹出気流方向が45°, 60°の場合, CO2は妻面方向で濃度が高くなる傾向が見られたが, 30°の場合は逆に換気口がある中央断面で濃度が高くなる傾向にあった。
    気流の舎内平均の平均流の運動エネルギーとCO2無次元濃度の間に相関は見られなかった。しかし変動の運動エネルギーである乱流エネルギーとCO2無次元濃度との間に相関が見られた。乱流エネルギーが大きくなるに従い, CO2の無次元濃度は小さくなる傾向にあった。
  • 無窓ブロイラ鶏舎の環境特性
    瀬能 誠之
    1992 年22 巻3 号 p. 161-166
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    前報に続いて, 無窓ブロイラ鶏舎を対象として, 施設内空気環境レベルの把握と環境改善のための基礎資料を供することを目的に浮遊粉塵濃度と浮遊微生物濃度を測定し, 施設内の環境特性として次のような知見を得た。微生物と粉塵の舎内濃度分布は似たパターンとなり, 粉塵濃度の増加に伴い, 一般細菌の濃度も増加する傾向にあることが認められた。微生物の質量付着密度は一般細菌について8.6×106CFP/mgと求められた。この付着密度の相対比は, 共乾施設を1.0として, 乳牛舎1.8, 無窓肥育豚舎2.0, 無窓ブロイラ鶏舎10.9の値となった。鶏舎内に堆積する粉塵量は鶏の日齢によって大きな差があることが認められ, 鶏の行動と関連すると推察された。堆積粉塵の成分は飼料の成分と鶏糞の成分との中間的性質をもつものであることが示された。鶏舎内堆積粉塵量は1.22g/day/羽, 総浮遊粉塵量は0.68g/day/羽であり, 合計1.90g/day/羽となった。この鶏舎では平均1万羽, 64日間の飼育期間で約1.22tonの粉塵が発生したことになり, そのうちの約2/3が舎内に堆積し, 残りの約1/3が換気により舎外へ排出したと推定された。
  • 向 弘之, 長谷川 三喜
    1992 年22 巻3 号 p. 167-170
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    家庭用ビデオ機器を用いた実験を容易にするため, パソコンでビデオ機器を制御できる赤外線リモコン装置を開発した。この装置により, 特定の条件下の画像のみを録画することや間欠的な録画が可能になる。またこの装置はビデオ機器だけでなく, 赤外線リモコンで操作可能な機器であれば, 基本的にどんなものでも制御可能である。部品数が少なく簡単にかつ安価に製作できる。制御対象となる機器の改造が不要であり, 機器ごとに異なるインタフェースを用意する必要がないという利点があり, 安価な家電製品を利用した様々な実験に応用できる。
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