農業施設
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45 巻, 4 号
第45巻第4号(通巻143号)
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
  • 鈴木 崇司, 干場 信司, 小川 人士, 高崎 宏寿, 岡本 英竜, 森田 茂
    2014 年45 巻4 号 p. 148-154
    発行日: 2014年
    公開日: 2023/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    バイオガスを利用する際には,経済的で効率良い脱硫が求められる。しかし,消化液を利用した脱硫装置における効率よい脱硫を行うための運転・環境条件の検討は充分になされていない。本報では,小型実験装置を用いた脱硫試験を行い,脱硫効率に及ぼす混合酸素濃度,装置温度,消化液 pH の影響を検討した。反応筒には0.24 m3 の塩化ビニル製の円筒を用い,内部に接触材を充填した。接触材の表面には,装置上部から消化液を1 日1回5分程度噴射して運転を行った。目標の脱硫率85%以上を達成するためには,混合酸素量は,1.0%以上にする必要がある。しかし,バイオガスを希釈することになるため,1.0%に抑えることが重要である。装置温度は,約20 ℃以上で保つことが求められ,脱硫装置を発酵槽に近い位置に設置するか,発酵槽を加温するのと同じように発電時の熱で作られた温水を脱硫装置にも適用することが必要である。消化液 pH は,7.0以上で運転することが求められ,定期的に一部の液を交換する運転方法が望ましいと考えられる。
  • 青木 伸夫, 水谷 孝一, 若槻 尚斗, 梅津 一孝
    2014 年45 巻4 号 p. 155-161
    発行日: 2014年
    公開日: 2023/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    畜産農家において,家畜の体重を管理することは,飼養方法を選択する上で重要な指標である。特に,家畜用の牛は乳用牛・肉用牛いずれにおいてもその体重を知ることは収益に密接につながるものである。従来は,柵・檻などを用いて強制的に静止状態を作り出し静的な状態での計量を行っていた。本論文では,牛の歩行周期に基づき,フィルタ次数を計量ごとに変える動的計測方式を提案する。牛がはかり上を歩行した場合,計測信号が整定することが期待できないとともに,重心の上下動に伴う外乱信号を含む。牛が一定速度で歩行した場合に生じる周期性から,計測ごとにフィルタの次数と係数の最適化を図り,この外乱信号を除去した。従来の単純平均による処理では,静止時体重と歩行時体重で±5 kg の差があったものが,この次数可変の適応フィルタにより±1 kg の差に収まった。乳用牛に対する歩行計測での実験結果で,実用上充分な精度が得られることを確認した。
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