閉鎖型環境管理において水利用効率の高い栽培方法を確立するための基礎的な知見を得ることを目的として,相対湿度が高い条件における風速制御がキュウリ幼植物の光合成と水利用効率に及ぼす影響について調査した。同化箱を用いた栽培を行い,風速条件を3水準(0 m s
-1, 0.24 m s
-1, 0.66 m s
-1)設定したところ,0.24 m s
-1 区および0.66 m s
-1 区のキュウリの乾物重は0 m s
-1 区と比べて有意に増加した。最も乾物生産が増加したのは0.24 m s
-1 区であり,その際の平均相対湿度は92.1%であった。また,水利用効率は,0 m s
-1 区と比べて0.24 m s
-1 区および0.66 m s
-1 区が増加した。以上より,閉鎖型環境管理で相対湿度が高い条件において風速を最適に制御することで,水分吸収量を最小限にして,光合成速度を向上できる可能性が示唆された。
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