農業施設
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40 巻, 3 号
第40巻第3号(通巻123号)
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 玉城 麿, 佐瀬 勘紀, 池口 厚男, 赤地 徹, 石井 雅久
    2009 年40 巻3 号 p. 159-165
    発行日: 2009年
    公開日: 2023/12/14
    ジャーナル オープンアクセス
    南西諸島で利用されている防虫網を中心とした糸径0.17~0.29mm,開口比(防虫網の間隔の面積/防虫網の外郭面積)0.25~0.68の範囲にある11種類の防虫網の通気特性を評価した。風洞実験により防虫網の圧力損失と平均風速の関係を求めた結果,網目の間隔の長さが近似しても,開口比が減少すると防虫網の圧力損失が増加した。例えば,開口比が0.82倍になると,圧力損失は1.6倍になった。従って,防虫網を選考する場合は一般的に用いられてきた目合い(格子1つで構成される間隙の一辺の長さ)を基準とするのではなく,開口比を用いなければ比較検討が困難であることが示された。また,圧力損失と開口比の関係は風速ごとに二次関数で示され,糸径やアスペクト比などの諸元が供試網と類似した防虫網については,開口比を用いて通気特性を比較できることが示された。なお,既報の圧力損失係数の予測式の精度について検証した結果,実験値との誤差が20%以上になる場合もあったことから,精度を向上させるには予測式の係数について検討する必要があると考えられた。
  • 野呂瀬 幸政, 岩渕 和則, Ronaldo B. SALUDES
    2009 年40 巻3 号 p. 167-176
    発行日: 2009年
    公開日: 2023/12/14
    ジャーナル オープンアクセス
    簡易な発酵装置でも可能な含水率管理法により発酵乾燥方式および乳酸発酵方式を併用した食品廃棄物の飼料化について検討した。大学食堂,市内の中学校およびレストランから得られた厨芥を家庭用厨芥リサイクラへ定期的に投入し,反応前期の馴養期間は含水率を40%w.b.,後期の飼料化期間は20%w.b.となるように,必要に応じて加水を行うことにより含水率を管理した。湿度,含水率,pHを測定し養豚用飼料としての栄養成分および安全性について分析を行った。その結果,馴養期間ではpHが5以下となり,飼料化期間中に取扱い性が良好な芳香性のある資材が生成され,一般成分は市販配合飼料および各種リサイクル飼料と同程度であった。また,安全性についても重金属,かび毒,病原性微生物の基準をクリアしていたことから,リサイクル飼料としての利用可能性は高いと考えられた。含水率を20%w.b.に管理することで乾燥に要するコストを低減化し,熱変性のリスクを回避した飼料生産が可能である。ただし,過酸化物価が高かったため,滞留時間や油脂分の早期分解についての検討が必要である。
  • 佐瀬 勘紀, 奥島 里美, 石井 雅久, 髙倉 直, 林 真紀夫
    2009 年40 巻3 号 p. 177-184
    発行日: 2009年
    公開日: 2023/12/14
    ジャーナル オープンアクセス
    重油価格の急騰を受けて,温室栽培においてヒートポンプ暖房が急速に普及してきた。そのため現状では明確な根拠もなく,いくつかの暖房方式が実施されている。その代表的なものが温室内部から集熱する「エコモード」と呼ばれる方式である。本研究では「エコモード」と外気から集熱する通常モードを比較検討した。「エコモード」で消費電力量が40%程度大きいこと,外部の熱負荷が小さくなったときに消費電力に大きな無駄が生じることなどが明らかとなった。熱負荷解析から投入電気エネルギー利用効率は外部集熱が最も大きく,内部集熱では,外室からの集熱がこれに続き,内室からの集熱は電気ヒータ暖房と同じで最も小さく,「エコモード」は後2者の中間になることが判明した。
  • 植松 康, TANAKA Satoshi, 森山 英樹, 佐瀬 勘紀
    2009 年40 巻3 号 p. 185-194
    発行日: 2009年
    公開日: 2023/12/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,我が国で一般的に用いられている園芸用パイプハウスを対象とし,一連の風洞実験結果に基づき,卓越開口を有しない所謂「閉鎖型」について,構造骨組設計用外圧係数を提案する.実験では縮尺率1/40の模型を用い,境界層乱流中で外圧の多点同時測定を行い,詳細な外圧分布を得た.また,外圧の測定データを用い,LRC(Load Response Correlation)法に基づき等価静的外圧係数を算定した.なお,荷重評価に当たっては,構造設計上最もクリティカルな荷重効果として,フレームの風上側柱脚部の曲げモーメントに着目した.先ず,単体モデルに対して得られた等価静的外圧係数を基に構造骨組設計用外圧係数のモデル化を行った.次に,2ないし3棟の模型を用いた実験を行い,その結果を用いた応答解析に基づき,提案した外圧係数モデルが,複数棟並列して建設されたパイプハウスにも適用できることを確認した.
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