農業施設
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27 巻, 1 号
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  • 米飯の粘着力と炊飯液の特性によるインディカ, ジャポニカ米の評価
    木村 俊範, 清水 直人, 吉崎 繁, 種谷 真一
    1996 年27 巻1 号 p. 3-10
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    米の食味に関連する基本的な理化学的性状による米質評価法を確立する狙いのもと, 米飯と米飯との粘着力を直接計測し, 米飯のねばりと大きく関わると思われてきた炊飯液中の澱粉画分の性状と量による評価をインディカ, ジャポニカに適用した。炊飯液の濃度あたりのブルーバリュ (IBV/TS) は, 精白米のアミロース含量の順位と一致し, 炊飯液の澱粉画分の性状はIBV/TSで示され得ることが分かった。米飯の粘着力は, 炊飯液の溶出固形物の量あたりのブルーバリュが増加すると減少し, 両指標の直線回帰による相関係数は, -0.851であった。またそれぞれの試料のIBV/TSの順位と米飯の粘着力の順位が対応した。上記の結果から特に米飯の粘着力に及ぼす炊飯液の澱粉画分の性状の影響が大きいことが見出された。
  • 佐藤 義和, 小綿 寿志, 秦 寛, 山崎 昶
    1996 年27 巻1 号 p. 11-20
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    家畜の発生熱や暖房によって暖められている畜舎からの換気排出熱を利用した融雪方法の検討を行った。北海道滝川市の豚舎における実験では, 1990年から1991年の冬期に, 畜舎内の環境保持に必要な換気量で軒下に堆積する雪を除雪の必要がなくなる程度に融雪できるという結果を得た。実験結果から, 排出熱量に対する融雪負荷の比と熱利用効率との関係式を求め, 北海道岩見沢市の成雌豚舎を想定してシミュレーションによる軒下の堆積雪深の推移を推定した。平年値の降水量に対して, 排気温度10℃でも除雪の必要性はほとんど生じないという結果であった。融雪量に対する排気の湿度の影響を検討したところ, 排気温度と風量が同一であれば湿度が高いほど融雪量は大きいことが示唆された。
  • ハウス内土壌水分の変動予測・制御システムの開発
    連 小東, 中野 和弘, 大塚 雍雄, 湯浅 和広, 五十嵐 太郎
    1996 年27 巻1 号 p. 21-29
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    ハウス内土壌水分の変動を予測し, 土壌水分を最適条件に制御するために, セラミック水分センサを使用し, パソコンレベルでの自動灌水システムを開発した。この制御システムは製作経費が安価であり, また取り扱いの簡便性, 灌水計画の汎用性等の特徴を有し, ハウス内土壌水分計測・制御装置としての実用性が認められた。使用した水分センサの実用性を検証した結果, pF測定値は, 土壌の水分状態をよく反映していると判断された。また, 従来使われたポーラスカップ土壌水分センサの測定値との差もないことから, 測定値のタイムラグと塩類集積による影響を考慮にいれて使用すれば, ハウス内土壌水分制御に十分利用できると判断された。土壌水分変動実験の結果, 各土層土壌のpF値の変化に及ぼす灌水の影響は, 本実験の流量の範囲では, 量が極めて重要であり, また, 土壌水分制御システムのサンプリングタイムは一定時間以上とらないと, 安定した制御ができないことが判った。土壌水分制御実験を行った結果, 土壌水分pF値を設定した通りに制御できた。本研究で最適灌水量の計算とそれに任意の幅を持たせるpF値の制御は極めて有効であるものと考えちれる。さちに, 本研究ではフィードフォワード制御方式を導入して灌水量の補正を行うことにより, pF値は設定値を維持し, 精度よく安定した制御が可能であることが確認された。
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