農業施設
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42 巻, 2 号
第42巻第2号(通巻130号)
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • ─異なる副資材の混合が熱の回収量および利用量に与える影響─
    小島 陽一郎, 阿部 佳之
    2011 年42 巻2 号 p. 51-58
    発行日: 2011年
    公開日: 2023/08/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では牛ふんに混合する副資材の種類が堆肥化過程における発酵熱の発生と回収に及ぼす影響を調査するとともに,吸引通気式堆肥化システムによる発酵熱利用の可能性を検討した。その結果,430 L の発酵槽で28 日間の堆肥化を行い,その期間に排気により回収可能な熱量が明らかになった。具体的には一般的な4 種類の副資材に加え,未・低利用資材である廃農業用ロックウールおよび廃菌床を牛ふんと混合して堆肥化を行ったところ,堆肥化過程で回収できた熱量は229 ~ 601MJ・m-3 であり,そのうち利用可能なエネルギ(エクセルギ)は90 ~ 162 MJ・m-3 であった。堆肥からの現物あたりの回収熱量は,直接燃焼による回収熱量の13%であった。
  • 古野 伸典, 佐瀬 勘紀, 佐藤 裕則
    2011 年42 巻2 号 p. 59-64
    発行日: 2011年
    公開日: 2023/08/07
    ジャーナル オープンアクセス
    積雪寒冷地域の地中伝熱量の実態を把握するため,栽培品目,栽培条件の異なる3 種類の園芸用施設を対象に調査を行った。その結果,同じ日射量の条件であっても,栽培品目によって地中伝熱量の日推移が大きく異なることが明らかとなった。バラの養液栽培のようにハウス床面の全面が茎葉で覆われる条件における夜間の上向き地中伝熱量は,最大でも5 W m-2 以下と非常に小さかった。他方,キュウリやオウトウの場合は,昼間の日射に応じた土壌への蓄熱が確認され,夜間の上向き地中伝熱量は最大で20 W m-2 を記録した。地中伝熱量の長期計測の結果,短期計測と同様に栽培条件による違いが確認された。また,日射量が多くなる3 月以降において,上向きの地中伝熱量は増加しなかった。ハウス内の植物体の生育が進むことにより地表面に到達する日射量が減少したことが原因と考えられる。
  • ─GISを用いた輸送経路の検証─
    金井 源太, 竹倉 憲弘, 加藤 仁, 小林 有一, 薬師堂 謙一
    2011 年42 巻2 号 p. 65-72
    発行日: 2011年
    公開日: 2023/08/07
    ジャーナル オープンアクセス
    第1 報にて提案した試算法I は輸送距離が直線距離と同等であるとの仮定に基づいている。試算法I についてGIS を用いて算出した最短道程および時間的最短道程に基づき検証を行い,以下の知見を得た。なお,茨城県について3 箇所の収集拠点を仮定してGIS により検討した。 最短道程は直線距離の1.2 倍程度,時間的最短道程は1.25 ~ 1.35 倍程度であることが認められた。 試算法I に基づく平均輸送距離は,収集量50 kt では, 最短道程の85 ~ 115%,時間的最短道程の92 ~ 127%,100 kt では88 ~ 148%および94 ~ 163%,200 kt では107 ~ 173%および118 ~ 188%とGIS に基づく平均道程との乖離があり,平均輸送距離を平均道程として用いることは不適当であった。 試算法I に基づき50 kt の稲わら収集のために輸送用燃料とトラックを準備した場合,GIS により算定された最短道程および時間的最短道程を経路とした際に収集可能な稲わらの量は,最短道程では計画の91.7 ~ 106.5%,時間的最短道程では計画の86.9 ~ 103.4%と収集量のばらつきが認められた。 以上より,試算法I に基づいた平均輸送距離,輸送用燃料必要量およびトラック必要台数は,過小な見積であることに留意する必要がある。
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