農業施設
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37 巻, 1 号
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  • 臼田 浩幸, 椎名 武夫, 石川 豊, 佐竹 隆顕
    2006 年37 巻1 号 p. 3-9
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    実輸送環境における物品の損傷性を考慮したランダム振動試験法の開発を目的として, 簡易なデータロガーによるパワースペクトル密度 (PSD) データの取得方法の検証, ならびに損傷性を考慮した加振波形の設計方法について検討を行い, 農産物であるイチゴを例にPSDの算出方法について例示した。
    振動計測を行うためのデータロガーとしては, 3次元加速度記録計を用いた。振動試験機を正弦波で加振した時の振動をデータロガーで計測し, 高速フーリエ変換による解析を行なったところ, 上限周波数と周波数分割数で決まる下限周波数の制限により, 低周波数領域の振動強度が過小評価されている可能性が示唆され, サンプリング定理に基づく上限周波数だけでなく, 下限周波数についても注意が必要であることが明らかになった。
    また, ランダム振動試験において, 複数のPSDデータに対して, 物品の損傷性の指標であるS-N曲線を用いて平均化処理を行うことで, 損傷性を考慮した振動条件の設計が可能となった。さらに, S-N曲線を用いることで, 試験時間を実輸送時間より短縮する加速化が可能となった。
  • 穀粒水分と粒厚
    金井 源太, 玉城 勝彦, 長崎 裕司, 佐竹 隆顕
    2006 年37 巻1 号 p. 11-18
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    高水分小麦の粒厚による水分選別技術の開発に向け, 粒厚変化と穀粒水分の関係を明らかにし, 回転式粒厚選別機を用いた粒厚に基づく水分選別試験を行った。
    粒厚による水分選別の基礎データを得るために, 食糧庁規格縦目篩を用い, 収穫された小麦の乾燥前後の粒厚変化を検討した結果, 収穫時期が遅くなるに従って穀粒水分が減少し収穫時の粒厚は小さくなるが, 乾燥後の比較では収穫時期が遅くなるに従って粒の成熟, 充実により粒厚が大きくなることが認められた。
    次に, 回転式粒厚選別機による実用試験の準備試験として, 先述の縦目篩を用い, 粒厚毎の水分の検討を行った結果, 高水分小麦を低水分側と高水分側に二分する場合には選別粒厚を3.0~3.4mm (目開き) 程度と設定することが適当との知見を得た。これに基づき回転式粒厚選別機を用い目開き3.0, 3.2, 3.4mmの篩にて試験を行った結果, 粒厚選別による水分選別が可能であることが明らかとなり, 穀粒水分35%前後の高水分小麦を水分に基づきほぼ等分に二分割する場合には目開き3.2mmの篩の利用が適当との知見を得た。また, 水分30~45%の小麦は流動性が悪く, 選別能率は乾燥後の3割程度であった。
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