内リンパ水腫作製前および作製後12週までのDPOAEs, EP及びCAPの経時的変化を18匹のモルモットを用いて測定した。
1. 低音域 (4, 6kHz) のDPOAEsは内リンパ水腫作製1週後で既に有意に低下したが, 8kHzのDPOAEsは12週後に初めて有意に低下した。
2. EPは2週後で既に有意に低下し, 時間経過とともにさらに低下した。
3. CAP閾値の上昇は2週後には認められず, 4週後で初めて低周波数域 (2-6kHz) にて有意に認められ, 12週後には測定した全ての周波数 (2-16kHz) で認められた。
4. イソソルビドを経口投与すると, 内リンパ水腫作製後に低下したDPOAEsが回復する傾向が認められた。
したがって, DPOAEsは内リンパ水腫の存在を最も鋭敏に判定しうる検査法であると考えられた。
抄録全体を表示