難聴を伴った耳鳴患者において, 2dBステップでCNV (随伴陰性変動) を用いた聴力検査 (以下CNV聴検) を行い, その信頼性を検討した。
15名の耳鳴患者で, 1) CNV聴検, 2) 純音聴検 (極限法) の2つの方法で閾値を決定した。 検討項目は, 1) CNV聴検を3回連続して行った場合の測定されたCNV閾値の再現性, 2) CNV聴検と純音聴検との閾値の差の2点である。
15名中12名で安定したCNV波形が得られたので, この12名について以下の検討を行った。 12名中10名でCNV聴検により3回連続して同一値を得た。 残りの2名では変動はあったものの±2dB以内であった。 また, CNV閾値の純音閾値との差は+0.76±1.35dBであり, 高い相関関係が認められた。
以上の結果より, ±2dBの誤差範囲内でCNV聴検は信頼性があると言え, CNV聴検が精密な他覚的聴力検査に適していることが分かった。
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