AUDIOLOGY JAPAN
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43 巻, 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 野々山 勉, 鶴岡 弘美, 朝日 ゆかり, 間島 雄一, 増田 佐和子, 原田 輝彦, 坂倉 康夫
    2000 年 43 巻 6 号 p. 617-625
    発行日: 2000/12/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    過去5年間に当科補聴器外来を受診した221例について, 年齢, 性別, 平均聴力レベル, 聴力型, 最高語音明瞭度, 補聴器の特性と装用耳聴力との関係, 年齢と補聴器の形状との関係, 患者背景と補聴器装用との関係, 片側耳装用者と両耳装用者との比較検討を行った。 補聴器装用に至った166例の平均聴力レベルは57.2dB, 最高語音明瞭度が70%以上の症例は75.7%を占めていた。 装用耳聴力と補聴器の音響利得, 及び最大出力音圧との間には有意な相関を認め, 大多数の症例において音響利得はハーフゲインを下回っていた。 補聴器の形状は若年者では挿耳形が多く, 高齢者で耳かけ形・箱形が多い傾向にあった。 補聴器装用の可否には職業の有無でなく, 装用意欲と関連を認めた。 両耳装用者は若年者で有職者が多く, 過半数が両側に挿耳形を装用していた。
  • 林 初美, 工藤 典代, 小林 由実
    2000 年 43 巻 6 号 p. 626-632
    発行日: 2000/12/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    三歳児聴覚検診での聴覚検査をより有効に生かし, 難聴児の早期発見と見逃しの防止につなげることを目的に, 地域の専門機関における三歳児健診の関わりと聴力検査の実施状況について県内の39施設にアンケート調査を実施した。 その結果, 聴力検査の実施状況は各施設で大きく異なっていた。 県内全域で三歳児健診の当初の目的である中等度難聴児の早期発見が可能であるとは言えなかった。 また, 三歳児健診業務に直接関わりのある地域専門機関はアンケートに回答のあった施設のうち3分の1以下であり, それらの機関では難聴児はほとんど発見されていなかった。 難聴児の早期発見のためにはシステムの確立や設備の充実などに加え, 検査者や難聴児の発見に関わる可能性のある関係者全体の啓蒙と連携などソフト面の整備が重要な課題である。
  • 宮本 育江, 神田 幸彦, 重野 浩一郎, 城丸 みさと, 小林 俊光, 近藤 達郎
    2000 年 43 巻 6 号 p. 633-637
    発行日: 2000/12/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Usher症候群は, 先天性または進行性の両側高度感音難聴, 前庭機能障害に網膜色素変性を合併する常染色体劣性遺伝性疾患である。 幼少時発症の本症候群Type 1に対する人工内耳埋込術の報告は本邦では未だ少ない。 今回我々は, Usher症候群Type 1と考えられた一症例に対し人工内耳埋込術を行い, 良好な結果を得たので, 術前後の経過に若干の文献的考察を加えて報告する。 症例は9歳男児。 1歳前に両側高度感音難聴, 6歳時に両側網膜色素変性症の診断を受けた。 難聴診断時より補聴器を装用してきたが著明な補聴効果は認められず, 9歳時に人工内耳埋込術を施行した。 音入れ後, 徐々に環境音の認知と言葉の聞き取りの向上を認めている。
  • 硲田 猛真, 間 三千夫, 齊藤 優子, 瀬野 悟史, 十河 英世, 嶽 良博, 榎本 雅夫
    2000 年 43 巻 6 号 p. 638-646
    発行日: 2000/12/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    補聴器の効果を知るため, 補聴器装用感についてアンケート調査を行った。 99例より100通のアンケートを回収した。 アンケート結果の要約は以下であった。
    1) 高齢者ほどアンケート結果が悪かった。
    2) 装用期間が長いほど結果が良かった。
    3) 耳掛形, 挿耳形, compeletely in the canal type (以下CIC) の順で, 大きいものほど結果が良かった。
    4) Kアンプ方式の補聴器は静かなところで良く, デジタル式補聴器は騒がしいところで良かった。 また音楽はリニア型増幅方式やKアンプ方式の補聴器が良かった。
    5) 装用閾値を測定できたもので, 耳掛形, 挿耳形, CICの出力を検討したが, 耳掛形で低音域の利得が少なかった以外は差を認めなかった。
    6) 4分法の装用利得と近距離での聞き取りには関連があるように思われた。
  • 田中 英和, 戸叶 尚史
    2000 年 43 巻 6 号 p. 647-653
    発行日: 2000/12/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    モルモット下丘より, 純音に対する単一神経細胞応答を記録した。 刺激音としては三種類の純音トーンバースト (持続時間100ms, 200ms, 300ms) を用い, 応答に対する刺激音の持続時間の影響について検討した。 93個のニューロン応答を記録し得たが, 約60%のニューロンが刺激音に対してtonicな応答を, 約30%がphasicな応答を示した。 phasicなニューロンの応答の大きさは刺激音の持続時間の影響を受けなかった。 しかし, tonicなニューロンの中には, 持続時間200msの刺激音に対して最も大きな応答を示すものが記録された。 この結果は下丘レベルにおいて, 刺激音の持続時間に対する選択性が存在することを示している。
  • 高齢者が容易に使えるイヤモールド
    三輪 レイ子, 伊丹 永一郎
    2000 年 43 巻 6 号 p. 654-662
    発行日: 2000/12/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    高齢難聴者が補聴器装用を簡便におこなえる「改良型イヤモールド」を開発した。 特徴は, (1) 回さなくても押すだけで挿入できる仕組み, (2) 体温で膨張する素材の採用, (3) イヤモールドの先端を外耳道の第2カーブまで伸ばす, の3点である。 この結果, (1) 容易に挿入できる, (2) ハウリングを生じない, (3) こもり現象が抑制される, ことを確認した。
    「改良型イヤモールド」の開発により, 今後, 高齢難聴者の補聴器装用は大幅に改善されると期待される。
  • 伊藤 彰英, 荒尾 はるみ, 内田 育恵, 朝日 清光, 中島 務
    2000 年 43 巻 6 号 p. 663-667
    発行日: 2000/12/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    人間ドックで何らかの聴力障害を指摘された60歳以上の男女69名に対して, 問診, 鼓膜検査, 純音聴力検査, 67-S語表による語音明瞭度検査を行った。 いわゆる “聴力の生理的年齢変化” と考えられた52名に対して, 聴力レベルを評価した。 喫煙と聴力障害との関連についての検討では, 低周波数250Hzで有意差が認められ, 喫煙が危険因子の1つであると考えられた。 アルコール習慣と聴力障害では明らかな関連は認められなかった。
  • 立木 孝, 小田 恂
    2000 年 43 巻 6 号 p. 668-683
    発行日: 2000/12/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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