AUDIOLOGY JAPAN
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49 巻, 4 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 立木 孝
    2006 年 49 巻 4 号 p. 299-300
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 神崎 仁
    2006 年 49 巻 4 号 p. 300-305
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 野村 恭也
    2006 年 49 巻 4 号 p. 306-309
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 蝸牛電気生理学的立場から
    志多 享
    2006 年 49 巻 4 号 p. 309-317
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 立木 孝
    2006 年 49 巻 4 号 p. 317-319
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 立木 孝
    2006 年 49 巻 4 号 p. 320-321
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 草刈 潤
    2006 年 49 巻 4 号 p. 322-338
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    聴性脳幹反応 (ABR) は蝸牛から下丘に至る聴覚路で誘発された反応で, 振幅は小さいが再現性が良好で睡眠の深度や意識レベルの影響なども認められないことから臨床検査として広く用いられている。本稿ではABRの測定法, 発生機序, 臨床応用などについて概説した。その要旨は次の如くである。(1) ABR各波の発生部位に関しては一部意見の不一致がある, (2) 有用な他覚的聴力検査法であるが, クリック誘発の反応は主として2~4kHzの聴力のみを反映している, (3) トーン・ピップによる誘発反応の有用性に関しては賛否両論がある, (4) 聴神経腫瘍が内耳道内に限局している場合には偽陰性もかなりあるが, それよりも大きな腫瘍では感受性は非常に高い, (5) 本態性後迷路障害, 多発性硬化症, 脳幹循環障害や橋髄内腫瘍, 意識障害, 脳死などの診断・評価や術中モニターとして極めて有用である。
  • 松永 達雄
    2006 年 49 巻 4 号 p. 339-345
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    近年, 遺伝子変異の難聴発症への関与が急速に解明されており, 難聴診療においても, 今後は遺伝子検査と遺伝相談の普及が予測される。難聴の遺伝相談の実施にあたっては, 初めは遺伝性難聴を専門とする医療機関と連携すると共に, 実際の臨床では, 聴覚医学, 遺伝医学, 言語聴覚リハビリテーション, 福祉, 教育など多岐にわたる専門性が求められるので, 各分野の専門家とチームで取り組むことが推奨される。またクライエントの要望, 遺伝子検査の適応, 遺伝相談の流れ (手順) についてよく理解する必要がある。遺伝相談の内容としては, 難聴の再発リスクに対しての適切な情報提供および聴覚管理と言語聴覚リハビリテーションへのアドバイスが中心となり, 遺伝子検査で同定される原因遺伝子ごとに異なる対応が要求される。難聴以外の身体症状を伴う症候群性難聴の場合には, 特に慎重な対応が必要であり, 関連する他科専門医との連携による対応が必須である。
  • 宇佐美 真一
    2006 年 49 巻 4 号 p. 346-352
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    難聴の遺伝子検査が日常診療でも可能な時代になってきた。遺伝子診断を行うことにより正確な診断, 難聴の程度の予測, 随伴症状の予測, 原因による治療法の選択, 正確な遺伝カウンセリングが可能となってきた。先天性難聴患者の原因遺伝子として多く認められるGJB2遺伝子, ペンドレッド症候群および前庭水管拡大を伴う非症候群性難聴の原因遺伝子として劣性遺伝形式を伴う難聴家系に多く見いだされるSLC26A4遺伝子, アミノ配糖体抗生物質に対する高感受性と関連するミトコンドリア遺伝子1555A→G変異の3つの遺伝子が日本人難聴患者に高頻度で見いだされる原因遺伝子であることが明らかとなった。インベーダー法は多種類の遺伝子変異を同時にスクリーニングできる解析方法として有用な方法であるが, 多くの遺伝子が関与している難聴の場合, 日本人難聴患者に見いだされる遺伝子変異のデータベースにもとづいてスクリーニングするのが効率的であると思われる。
  • 日比野 愛, 高橋 真理子, 牧野 多恵子, 村上 信五, 松田 太志, 大脇 真奈, 渡邊 啓介, 関谷 芳正, 小國 有加, 本田 麻
    2006 年 49 巻 4 号 p. 353-358
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    近年, TRT (Tinnitus Retraining Therapy) が効果をあげており耳鳴と心理的状態との関連も議論されているが, MMPI (Minnesota Multiphasic Personality Inventory) を用いた耳鳴患者の心理的特性に関する研究はまだない。そこで我々はTRTを受けている耳鳴患者23例とMMPI日本版標準化集団についてMMPIの尺度ごとに比較検討した。その結果, 耳鳴患者では男女ともに心気症, 抑うつ尺度が高い値を示した。さらに男性では軽躁病と社会的内向性尺度, 女性ではヒステリー, パラノイア, 統合失調症尺度において有意差を認めた。一方, 耳鳴患者の中でいずれかの尺度においてT得点が70を超えた事例は23例中8例で, その8例中7例は初回THIが58以上であった。よって耳鳴の苦痛を強く訴える患者の治療には心身両面からのアプローチが必要であり, 心理検査等で個々の心理状態を的確にアセスメントすることがより効果的な治療につながると考える。
  • 大脇 真奈, 松田 太志, 渡邉 啓介, 小國 有加, 関谷 芳正, 高橋 真理子, 日比野 愛, 牧野 多恵子, 村上 信五
    2006 年 49 巻 4 号 p. 359-366
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    TRTは, Jastreboff と Hazel により提唱された神経生理学的システムに基づいた耳鳴治療法である。指示的カウンセリングと音響療法からなる。およそ8割の患者に有効と考えられているが, 効果が不十分である症例も認める。治療効果向上を目的として, 臨床心理士による面接を全例に加えた強化TRTを, 2002年より春日井市民病院にて開始した。強化TRTの経験から, 耳鳴苦痛度改善プログラムを作成した。
    このプログラム内容を提示する。また, このプログラムでの面接過程について質的に検討を加えたのでこれを報告する。強化TRTにおいてもTHIが改善しない事例を検討した。
  • 山田 理恵, 藤原 聖子, 宮下 武憲, 森 望, 越智 啓子, 野中 信之, 大森 千代美
    2006 年 49 巻 4 号 p. 367-372
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    2歳4ヵ月に左耳に人工内耳埋込術を施行した家族性高度難聴児1名の, 手術に至る経緯と術後の問題点について報告した。両親は, 本児が1歳6ヵ月頃から人工内耳を希望するようになった。これに対し, 医療機関・難聴通園施設は, 術後に音声言語を使用し, かかわることの重要性を伝え, 家庭での言語環境上の問題点を繰り返し説明したが, 両親の決意は変化しなかった。当科では, 地域との連携や親戚家族の援助を確認し, 家庭内では不十分であると予測される聴覚活用がその他の環境を整備することによって補えると考え, 手術適応と判断した。しかし, 術後に両親の社会経験の不足や家庭環境の変化が原因となり, 本児の聴覚活用に停滞を生じた。その対策として, 通園施設や地域の保育所などが密な連携を行ったことが本児の教育環境の悪化の軽減に重要な役割を果たした。
  • 厚生労働省急性高度難聴に関する調査研究
    川島 慶之, 佐藤 宏昭, 岡本 牧人, 中島 務, 井原 一成, 喜多村 健
    2006 年 49 巻 4 号 p. 373-380
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    2004年4月から2005年3月の1年間に, 神奈川県と岩手県の全耳鼻咽喉科施設を受療する急性低音障害型感音難聴患者を対象とした疫学調査を行った。初発患者数は神奈川県で10万人対42.8人, 岩手県では10万人対65.7人と推計され, 急性発症する感音難聴として最も頻度の高い疾患の一つと考えられた。初発症例の発症時年齢は平均37.7歳, 男女比1:3.0であった。発症時の自覚症状は耳閉塞感, 難聴, 耳鳴が多く, 発症前の状況は精神疲労, 睡眠不足, 肉体疲労が多かった。初発症例では治癒率は61.0%, 改善率は79.0%, メニエール病移行例は1.8%であった。再発症例では治癒率は73.5%, 改善率は85.7%, メニエール病移行例は3.1%であった。治癒率, 改善率に性差を認めなかったが, 女性は男性に比べ, 再発例, メニエール病移行例が多かった。また, 治癒率でみると, 39歳以下に比べ, 40歳以降で有意に予後が悪かった。
  • 中山 博之, 加藤 敏江, 浅見 勝巳, 服部 琢, 柴田 康子, 荒尾 はるみ, 別府 玲子
    2006 年 49 巻 4 号 p. 381-387
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    言語習得前高度難聴で長期間 (3年以上) 人工内耳装用児25名 (6~11歳) と言語習得前あるいは習得中の中等度から重度難聴の補聴器装用児61名 (6~17歳) を対象とし, 自作の各種語音聴取検査と保護者に対して家庭での聞こえに関する質問紙での評価を行い, 語音聴取能を比較検討することにより, 人工内耳適応聴力閾値を推定した。
    その結果, 難聴のみの単一障害である人工内耳装用児の語音聴取成績は, 0.5・1・2・4kHzの4周波数平均聴力レベルが70dB台の補聴器装用児に相当しており, 4周波数平均聴力レベルが90dB以上の高度難聴児は人工内耳の適応であると考える。また, 4周波数平均聴力レベルが70dB台と90dB台の補聴器装用児の4周波数平均装用閾値は各々41dB, 53dBであったことから, 補聴器調整後も4周波数平均装用閾値が50dB以上の場合は, 人工内耳の適応を考慮するべきであろう。
  • 原田 竜彦, 神崎 仁
    2006 年 49 巻 4 号 p. 388-394
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    カルマンフィルタを用いて, 歪成分耳音響放射 (DPOAE) の時間変動を観察するシステムを作成し, 刺激音圧を変動させた際および刺激音圧は一定として音圧変動する抑圧音を同時負荷した際のDPOAEの音圧変動を正常聴力被験者2名にて観察した。第1の実験では2つの刺激音圧を同時に振幅変調し, 2名の被験者ともにDPOAE 2fl-f2成分が刺激音圧の変動に約40から50ミリ秒程度遅れて周期的に変動する様子が確認できた。第2の実験では刺激音は振幅変調せず音圧を一定とし, 振幅変調を行った第3音で同時に刺激し, DPOAEに対する抑圧を観察した。2名の被験者ともに第3音の音圧ピークからやはり40から50ミリ秒程度遅れてDPOAE 2fl-f2成分が最も抑圧されることが確認できた。
    これらの結果からカルマンフィルタはDPOAEの時間変動を観察する手法として有用であることが確認できた。DPOAEの時間変動の観察法はこれまでにも複数の方法が提案されているが, それらと比べてカルマンフィルタは測定と同時に周波数成分の結果が表示できるリアルタイム性ならびに複数の周波数成分を同時に算出できる点で優れている。この方法を用いて今後, 語音など時間的に変動する音響を聴取する際の蝸牛の働きを明らかにすることが期待できる。
  • 伊藤 まり, 相馬 啓子, 小浜 遊記枝, 坂本 耕二
    2006 年 49 巻 4 号 p. 395-400
    発行日: 2006/08/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    TRT (Tinnitus Retraining Therapy) 療法は1990年に Jastreboff によって提唱された耳鳴の治療法であり, 耳鳴を知覚しないように慣れることに焦点をあてた指向性カウンセリングとTCI音治療器 (Tnnitus Control Instrument) の併用で施行し, 70~90%の有効率が報告されているが, 我が国では施行している医療機関がまだ少ない。当院ではTRTを導入したのでその治療経過も報告する。平成15年10月から平成16年3月までに日本鋼管病院こうかんクリニック耳鳴難聴外来を受診した耳鳴患者43名 (男性23, 女性20) 中のエチゾラム内服加療し, 経過を追うことのできた20例 (男性11例女性9例) を更にエチゾラム (デパス®) 単独で加療した15例 (男性7例, 女性8例) と, TRTを6ヵ月間継続し得た5症例 (男性4例, 女性1例) とに分類し, 比較検討した。治療経過からエチゾラム, TRTともに耳鳴の自覚症状やTHIで改善したが, TRTではより高度に改善傾向が認められた。以上よりTRTは耳鳴の自覚的苦痛度の強い症例に有効な治療であると考察された。高齢者ではTRT脱落例が多い傾向が示唆され, TRTの適応やカウンセリング法についてさらに検討していく必要があると考えられた。
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