AUDIOLOGY JAPAN
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52 巻 , 1 号
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総説
  • 松平 登志正
    2009 年 52 巻 1 号 p. 39-46
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    聴覚障害の診断・選別等に用いられるオージオメータの日本工業規格 (JIS) について, 国際規格制定の動向との関連で, これまでの4回の改正の経緯と, 近く予定されている改正の概要について述べた。これまでの主な改正点は, オージオメータの型式分類の変更, イヤホンの基準音圧の変更, 骨導検査音やマスキング雑音の基準レベルの規定, 語音オージオメータの規格制定などであった。新JISでは, 挿入形や耳覆い形イヤホンの基準レベルが規定され使用が可能になる。一方, 機種の異なるイヤホン間では低周波数で閾値の検査結果が異なる可能性があることや, タイプ5の存続やオージオグラム表示法について国際規格との不一致が生じるなどの問題がある。
原著
  • 川崎 美香, 森 壽子, 森 尚彫, 黒田 生子, 藤本 政明
    2009 年 52 巻 1 号 p. 47-57
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    発見年齢が異なり, CI装用年齢にも差がある進行性難聴児2例を対象に, CI装用後の言語や認知諸能力の獲得過程を追跡・調査し, 進行性難聴児固有の問題, CI装用効果, 言語指導上の留意点や言語聴覚士の役割を考察し以下の知見を得た。
    1. 2例の経過から, 進行性難聴児に対するCI装用は有効であった。3歳6ヵ月でのCI装用効果は高かったが, 6歳11ヵ月でのCI装用でも効果があった。
    2. 進行性難聴児の発見直後から指導を行う言語聴覚士は, できるだけ早期に個々のこどもの言語学習上の問題をみつけ, 言語学習条件を整備し, 適切な言語指導を行うことが必要と考えられた。そのために使用する森式チェックリストは臨床的に有用であった。
    3. 就学前・就学後に体系的言語訓練プログラムに従った言語指導を一定期間実施することで, 9歳時までに言語・認知諸能力を年齢相応に獲得させることができた。
  • 松平 登志正, 佐野 肇, 上條 貴裕, 猪 健志, 鈴木 恵子, 原 由紀, 井上 理絵, 大沼 幸恵, 岡本 牧人
    2009 年 52 巻 1 号 p. 58-65
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    補聴器適合中の80症例を対象に, 試聴中の補聴器を用いて5周波数における実耳挿入利得 (REIG) とファンクショナルゲイン (FG) を測定し比較した。非線形増幅補聴器では, 補聴閾値と等しい入力音圧レベルにおけるREIGを比較に用いた。その結果, 高利得のCIC補聴器を装用する1症例でのみ, ハウリングのためREIGの測定が行えなかった。これ以外の症例においては, 250 Hzから2 kHzの周波数では, 2つの測定値は比較的よく一致した。4 kHzでは, REIGはFGより平均約5 dB小さくなり, 差の標準偏差も他の周波数より大きかった。REIG測定における補聴器挿入時のプローブチューブ位置のずれが, この不一致の一因である可能性が示唆された。いくつかの特殊な場合にはFGの測定が必須であるものの, REIGの測定結果から補聴閾値 (FG) を推定することはノンリニア補聴器でも可能であり, 通常の補聴器の利得評価においては, REIGはFGに比べ利点が多いことが確かめられた。
  • 原田 竜彦, 中市 健志, 舘野 誠, 神崎 仁
    2009 年 52 巻 1 号 p. 66-73
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    歪成分耳音響放射は低周波音により周期的な抑圧が生じ, これを内リンパ水腫の評価へ活用することが提案されている。この抑圧が安定して測定できるかを健聴者を対象に検討した。測定プローブとソフトウエアは自作した。DPOAE測定用刺激 (3278Hz/70dBSPL, 3999Hz/60dBSPL) およびこれらと低周波音 (47.68Hz/100dBSPL) を同時刺激した際の外耳道内音響を短時間フーリエ変換し, 2f1-f2成分の時間変動波形を算出し低周波音の位相と変動の関係を観察した。測定は7名の成人被験者に両耳2回ずつ計28回行った。4名の被験者で両耳とも低音非刺激時の変動が0.5dB未満に収まりかつ低音刺激時の変動が非刺激時の2倍以上となり, うち3名では両耳とも2回の測定波形の形状も一致した。これら被験者で最小音圧となる位相の平均は低周波音のrarefaction方向へのピークから65度遅れであった。
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