本ビルの建設に使用するコンクリートの総量は10万m
3を超え, その種類も多種類にわたる。大規模なコンクリート工事を限られた工程内で施工するためには, コンクリートの製造を多くの製造工場に発注する必要があり, 躯体コンクリートの均質性の確保が工事施工の重要なテーマとなる。これらの解決に向けて, 技術委員会の設置, 品質管理室による一元管理, 専任のコンサルタント会社の導入による施工管理の実施等の諸施策を講じた。また, 本ビルはGL+60mと高層であり, ポンプの圧送性について配慮する必要がある。さらに, 外壁のプレキャスト板が型わく兼用として設計されており, 脱型後の検査が不可能なため, 充填・締固めを確実に行う必要がある。このため, 流動化コンクリートと型わく振動機を全面的に採用することとした。本稿は, これらの計画と施工について述べたものである。
抄録全体を表示