RC構造物の維持管理では, 経年的な変状に対して現状を的確に評価するとともに将来予測を行い, 構造物の要求性能を保持できるように適切な補修・補強を行うことが必要である。しかしながら, 構造物の要求性能を意識せずにコンクリートにひび割れが生じた時点で補修を行っていることが多いのが現状である。構造物によっては, コンクリートにひび割れが生じても耐荷性能を保持できれば, 補修時期を遅らせることができ, 修繕費を下げることが可能となる。本報告では, 塩害劣化環境下にあるRC構造物を対象とし, 構造物の要求性能に基づいて, 耐力低下までを考慮して適切な補修時期の設定を行う維持管理支援システムについて紹介する。
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