地震被害軽減にむけて既存鉄筋コンクリート建物の耐震診断,改修が進められている中で,コンクリートの圧縮強度が13.5N/mm
2未満の低強度コンクリートの問題が顕在化している。現時点では低強度コンクリートの力学的性能はあまり解明されておらず,工学的根拠を持たないまま解体撤去や継続使用のための補強工事が進められている状況にある。一方,このような状況の中でそれぞれの事案において直面する問題を解決すべく低強度コンクリートに関する研究が進められている。本解説ではこれまで行われてきた研究の概要と既存建物の耐震補強の可能性ついて述べるものである。
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