鉄骨ブレースおよびRC耐震壁による耐震補強法として, あと施工アンカーを用いないアンカーレス耐震補強を提案し, 1層1スパンのアンカーレス耐震補強架構を対象に, 正負交番繰返しの加力実験を行った。その結果, 1) アンカーレス耐震補強架構は, 引張側柱のパンチングシア破壊によって最大耐力が決定されるが, 最大耐力後の急激な耐力劣化は生じることはなく, 安定した荷重-変形関係を示す。また, 最大耐力は柱パンチングシア破壊を想定した耐力評価式で評価でき,
R=1/100までほぼ安全側に評価する。2) 柱パンチングシア耐力と鉄骨ブレース耐力の比を適切に設定することにより, アンカーレス耐震補強においてもブレース降伏先行型の架構とできる。3) 開口上下部に鉄骨境界梁・境界プレートを設置することにより, 開口付きRC壁をアンカーレス耐震補強材として有効に効かせることができることがわかった。
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