コンクリート工学
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44 巻, 12 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 倉本 洋, 前田 匡樹
    2006 年 44 巻 12 号 p. 3-9
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    2006年5月27日に発生したインドネシア・ジャワ島中部地震による建物被害状況を把握するために (1) 顕著な被害が報告されているジョグジャカルタ市内のRC造建物および (2) バントゥール地域の学校建物並びにその周辺の煉瓦造建物を主な調査対象とした現地調査を実施した。ジョグジャカルタ市内では地域により被害状況が異なり, (1) 地盤の被害, (2) 繋ぎ梁がないことによる屋根の被害, および (3) 建物の倒壊に大別できる。構造図面に基づいた静的非線形荷重増分解析から, (3) の地域における入力地震動レベルは標準せん断力係数換算で概ね0.2程度であったと推定される。学校建築および一般家屋は煉瓦壁の拘束が不十分な建物も多く, 木造屋根架構の強度・剛性が不十分であったため, 煉瓦壁の崩壊, 瓦の落下や屋根架構の崩落など甚大な被害を受けたと推察される。
  • 橘高 義典, 金久保 利之
    2006 年 44 巻 12 号 p. 10-15
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    JCI規準小委員会により新たなJCI規準が3つ制定された。それらは, コンクリートの破壊エネルギーの試験方法, 繊維補強コンクリートの荷重-変位曲線の評価方法, 繊維補強セメント複合材料の曲げモーメント-曲率曲線試験方法である。本報告はこれらJCI規準について, 規準の目的および背景, 評価すべき内容, 制定までの経緯, 委員会活動での議論の内容, 規準小委員会での検討事項, 原案からの修正事項, 規準の本文などについて解説した。
  • 内田 裕市, 片桐 誠
    2006 年 44 巻 12 号 p. 16-22
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    現在, 圧縮強度150N/mm2クラスの超高強度コンクリートが超高層RC建物に使用され, 200N/mm2の超高強度繊維補強コンクリートが橋梁上部工に使用されている。これらのコンクリートをさらに上回る超高強度高靭性コンクリートの製造の可能性を検討した。300N/mm2クラスのコンクリートは比較的容易に製造できる可能性のあることを示した。
  • 鉄筋SD490のガス圧接継手性能に関する研究
    中澤 春生, 矢部 喜堂, 成原 弘之, 林 静雄
    2006 年 44 巻 12 号 p. 23-30
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    鉄筋のガス圧接継手について, (社) 日本圧接協会で溶接継手の継手性能判定基準に準じた基準を整備するために性能評価試験を実施したが, SD490のガス圧接継手の曲げ試験における曲げ角度90度未満での折損について課題が残されていた。そこで, ガス圧接継手の曲げ試験において生じるひずみや荷重を把握するための一連の曲げ試験, ならびに, SD490のガス圧接継手の継手性能を再確認するための一方向繰返し引張試験および実施工されたSD490ガス圧接継手の検査実績調査等を実施し, ガス圧接継手の曲げ試験方法およびSD490の継手性能に関する知見を得た。
  • 大代 武志, 原田 政彦, 中野 政信, 中狭 靖
    2006 年 44 巻 12 号 p. 31-38
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    近年, アルカリシリカ反応 (ASR) の進行により, 鉄筋コンクリート構造物の内部において鉄筋が破断している劣化事例が報告されており, ASRによる劣化を生じている既設コンクリート橋脚の対策が重要な課題となっている。著者らは, ASRの対策として表面被覆を施した橋脚が再劣化していることに着目し, ASRで劣化した橋脚の劣化状況および鉄筋破断に関する一連の調査を実施した。本稿は、ASRによる劣化により鉄筋破断を伴う, 著しい劣化が発生した橋脚の実態を解体調査の過程で詳細に調べるとともに, 対策としての橋脚全体の打換え工法の選定およびその施工工程について報告するものである。
  • ワールドシティータワーズ新築工事
    太田 達見, 前田 信之, 西田 典宏, 西田 朗
    2006 年 44 巻 12 号 p. 40-47
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    超高強度コンクリートを採用した超高層RC集合住宅の建設工事において, コンクリートの品質管理にITを活用した手法を適用した。その結果, 品質管理の高度化・効率化を図るとともに, コンクリートの検査・試験結果に対する信頼性を高めることができた。
  • 溝口 孝夫, 中野 博文, 上野 健治, 山野辺 慎一
    2006 年 44 巻 12 号 p. 48-54
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    首都高速道路の代表的な長大吊構造系橋梁のひとつである鶴見つばさ橋において, 主塔橋脚の中空SRC構造部のせん断耐力向上を目的とした炭素繊維シート巻立てによる耐震補強工事が行われた。設計においては, 複雑な断面のSRC構造であることから, 補強前のせん断耐力, 外周のみに巻き立てた場合の補強効果に着目し, 縮小模型の載荷実験を行った。施工においては, 低温時や湿潤面に対する接着性の観点からアクリル樹脂を選定し, 低温下での引張試験と温冷繰返し後の付着試験等を行い, 性能を確認した。また, 景観性を考慮して設けられているスリット部への繊維シートの貼付け方や, 大規模断面に対するシートの割付けについて検討した。
  • バンコク・リングロード双子の斜張橋
    市橋 俊夫, 浦崎 宣行, 吉田 朋広, 岡本 尽
    2006 年 44 巻 12 号 p. 55-60
    発行日: 2006/12/01
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    バンコクに日本のODAにより建設された斜張橋の工事報告である。特に, 現地タイの市場, 産業構造, 国民性等を十分に考慮せずに設計したがために生じた問題は, 多くの国際工事で類似の難題に直面する可能性の高い事例と考えられる。
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