日本の経済状況や持続的発展を考えると, 耐久的なコンクリート構造物を経済的に供給することが旧来以上に重要になってきている。ところがセメントはユーザの要望も反映し徐々に高強度型になってきており, これが耐久性を損なう一因である可能性も指摘されている。もう一度原点に戻り, 耐久性設計の前提となる均一なコンクリート, 発熱, 強度発現, および耐久性を再考し, 耐久的なコンクリート構造物の建設に適するセメントについて再検討を試みた。汎用強度のコンクリートでは, 材料分離抑制の観点から粉体量確保が必要であるが, 断熱温度上昇を考えると反応性のセメントではなく不活性粉末を混合した, より低い強さの強度制御型セメントの利用が有効である
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