歯磨剤と歯ブラシを用いて歯口清掃を適正に行なう事は, 歯周疾患の第二次予防に極めて重要である。この観点から, 歯肉疾患の予防や治療に効果が期待されるAluminium Chlorhydroxy Allantoinateを0.30%歯磨剤に添加し, 上記薬剤を含有しない歯磨剤を対照として, その薬剤の効果について比較検討した。検査法として上顎前歯部唇面歯肉の炎症症状をPMA-lndexを用いて評価した。又同時に同部位の石膏模型を採得し, 模型上の乳頭部形態 (P-Index) , 及びStip Plingの分布状態 (S-Index) , を観察評価する新しい手法をも用いた。さらに止血効果については自覚的に比較検討した。
その結果, 対照歯磨を使用しても歯肉炎症の軽減作用が若干は認められたが, これにAluminium Chlorhydroxy Allant Oinateを添加した歯磨剤はさらにすぐれた止血効果と歯肉炎症の軽減効果を示し, 口腔粘膜や歯肉への悪影響も特に観察されないので, 歯周疾患の第二次予防用歯磨剤として効果が期待できるものである事を認めた。又模型を用いた2評価方法はPMA-Indexとの相関性が良好であり, 歯磨剤使用前後に於ける歯肉炎症の形態的経時変化を並べて客観的に比較評価が可能である事などに鑑み, この種の試験には有用な手法と考えられた。
抄録全体を表示