口腔衛生学会雑誌
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26 巻, 2 号
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  • 歯面別および層別分析について
    飯島 洋一, 高江洲 義矩
    1976 年 26 巻 2 号 p. 45-49
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/03/02
    ジャーナル フリー
    本実験はエナメル質表層における, フッ素の分布状態を歯面別, 層別に解析することを目的として行われた。
    健全大臼歯を各歯面別に分割し, 得られた40試料に対し, 0.5M過塩素酸溶液1.0ml中に5sec間ないし, 20sec間etchingを行った。Fの分析は電極法, Caは原子吸光光度計により測定した。その結果, 5sec etchingにおけるF含有量と深さのMean±S.D. は2086±525ppm, 1.78±0.35μmであり, 一方, 20sec etchingにおいては, 2252±1173ppm, 5.16±1.02μmであった。F含有量についての変動係数は5sec etchingに対して20sec etchingの方が約2倍高い値を示した。
    このことは, 5μm前後におけるF分布の多様性を示唆していると考えられる。
    歯面別においては, 5sec, 20sec etchingともF含有量に有意の差は認められなかったが, 頬舌面に対し, 近遠心面においてF含有量が低い傾向が示された。
    エナメル質表層におけるフッ素の密度分布は, 齲蝕に対する抵抗性を確かめる手がかりとなるので, エナメル質における齲蝕の初発に対し, 局在的なF含有量の追求は微量定量を駆使することにより, 化学的組成上の知見が, 今後, 一層, 明らかにされるものと思う。
  • 川越 武久
    1976 年 26 巻 2 号 p. 50-64
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/03/02
    ジャーナル フリー
    竹内らによって開発された液剤としてethy1-2-cyanoacrylate, 粉剤としてpoly methyl methacrylateを用いる齲蝕予防填塞材の, 粉剤中へシランA-174処理後MMA溶液重合処理を行なったガラス・フィラー (以下, フィラーという) を何wt%添加した処方が, 酸処理ヒト歯面に用いる場合に良好な結果をうるかについて研究し, 次の結果をえた。
    1) 引張り接着力は, フィラー添加量30wt%以下では高い値を示し, 50wt%以上では著るしく低下した。
    2) フィラー添加量30wt%以下では, 無添加に比べ, 耐磨耗性は2.5倍に向上したが, かたさ, 吸水性には影響は認められなかった。
    3) 辺縁封鎖性はフィラー添加30wt%以下では極めて良好であった。
    4) tag形成は, フィラー30wt%以下の添加量では良好であったが, 50wt%以上では異常所見が認められた。
    5) 以上の所見から, フィラー添加量は30wt%が適当と認められた。
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