80,70,60歳世代の者について保有歯数に影響を及ぼす過去の食事・生活習慣や口腔の状況について世代別に調査検討を行った。80歳世代については愛知県常滑市における8020調査,70,60歳世代については岐阜県山岡町における住民歯科健康診査の合計319名を調査対象とした。その結果,80,70および60歳世代のいずれも共通して影響するものと,世代ごとに影響が異なる因子に分けられた。すなわち80,70,60歳世代に共通して保有歯数に影響していたものは,男性の小学生時の「母親のしつけ」,20歳時の「甘味嗜好」,40歳時の「歯肉出血」,60歳時の「歯肉腫脹」,「歯磨回数」,女性の40歳時の「歯肉腫脹」,60歳時の「歯肉腫脹」であった。一方,世代で変化するものとして,男性では20歳時の「歯肉出血」,40歳時の「間食回数」,「かかりつけの歯科医院」が80歳世代に比べ70,60歳世代への影響が大きく,40歳時の「歯磨回数」が60歳世代に比べ80,70歳世代への影響が大きかった。また,女性では小学生時の「歯磨回数」が60歳世代に比べ80,70歳世代への影響が大きく,60歳時の「甘味嗜好」が80歳世代に比べ70,60歳世代への影響が大きくなっていた。
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