筆者等は, 34症のめまい患者に鍼灸治療を行った。症状把握と効果を客観的にするために, 検査及び重症度のランク付け, 治療法の統一及び効果判定基準を設定した。
検査は, 他覚と自覚を行い, 前者は眼振検査, 平衡機能検査を, 後者は主訴による回転感, 浮動感, 立ちくらみ等の出現頻度や軽重で重症度を判定した。
治療は、週1回の施術で10回を1クールとした。1クールは第2太敦穴の温灸, 2クールは温灸+体鍼, 3クールは温灸+体鍼+耳鍼+頭皮鍼を行った。
効果判定は各クール終了後, 主訴消退及び各種検査の成績によって, 著効・有効・効果・不変とした。
成績は, 1クールで症状改善のあったもの (著効) が12例, 2クールで症状改善のあったもの (有効) が12例, 3クールで症状改善のあったもの。(効果) が5例, 4クール以上施術を行ったもの (不変) が5例あった。
結果として, めまいに対し第2太敦穴及び体鍼・耳鍼の併用, 30回の施術で85%の症状改善がみられた。
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