3歳以上を対象に, 聴覚スクリーニング検査としての, 絵指示による囁語法聴力検査の精度を向上させるために, 音響的特徴を考慮した検査用語の選択及びその周波数選択性について検討し, 以下の結果を得た。
1) A群の単語 (椅子, 積み木, キリン, ネズミ, ジュース, スズメ) は, 主に4kHz付近を中心に2kHzから6kHz付近までの, B群の単語 (馬, オフロ, 雲, コマ, 箱, トンボ) は, 主に1kHz付近を中心に0.5kHzから2kHz付近までの周波数成分を手掛かりに聴取されていた。
2) A及びB群の単語で, それぞれ囁語検査を行うことにより, 周波数によっては, 正常あるいは正常に近い聴力域値を有する, 低音障害型や高音急墜型などの特殊な聴力型をした難聴児の発見が容易となった。
3) 検査者としては, ホルマント周波数の低い男性が適していた。
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