CHARGE association は目の欠損症, 心奇形, 後鼻孔閉鎖, 生育不全や中枢神経奇形, 生殖器低形成, 耳介奇形や難聴, 顔面神経麻痺のうち, 4つ以上の症状を呈する症候群である。今回, われわれは CHARGE association 5例に聴覚診断を行い, 耳介奇形を有するが内耳奇形を認めない両側感音難聴の3例に補聴器装用とコミュニケーション発達の援助を行った。3例中1例は高度難聴, 1例は中~高度難聴, 1例は軽~中度難聴を伴った。全例とも重度の精神運動発達遅滞を伴い, 乳幼児期には呼吸や摂食の問題があり, 補聴器は装用困難であった。しかし, 3例中2例は体調が安定すると, 補聴器の場面装用が可能になり, 補聴効果を認めた。もう1例は呼吸状態の改善とともにABRとCORの結果が改善した。コミュニケーションの発達援助では, 安定した体調と, 人とのやりとりが楽しめる対人関係, 聴覚補償について長期的なフォローアップが重要であった。
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