本報告はRC床スラブにひびわれが生じ, たわみが長期的に増大して大たわみとなり,且つ有感振動を伴う, いわゆる床スラブの大たわみ障害について, 被害の実態を把握し, 適切な防止策を講ずることを目的として行った調査を根幹とした実証的研究の要約である.これまでに著者等が主として北海道において資料を収集・整理してきた, 件数72, 総数1122枚の損傷床スラブの調査結果をまとめ, 類型化した障害の状況とその施工精度を明らかにし, 更に, 資料を分析・総合して床スラブに大たわみの発生する限界寸度を推論し, 適正規模とするための目安として, 実荷重時の最大縁応力度をコンクリートの引張強度以下に納めるべきことを提案したものである.
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