コンクリート工学
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54 巻, 3 号
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巻頭言
TOPICS
解説
  • 既設コンクリート構造物の維持管理と補修・補強技術に関する特別委員会
    2016 年 54 巻 3 号 p. 239-245
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    本稿は,日本コンクリート工学会に2013年5月に設置された既設コンクリート構造物の維持管理と補修・補強技術に関する特別委員会の活動成果の概要を紹介するものである。この特別委員会では,コンクリート構造物および構造物群に対する適切かつ戦略的なマネジメントを行うための知見の集約と現状の技術レベルの分析,さらには今後の活動の方向性に関して,基本戦略,点検・評価,維持・補修補強,寿命予測,ライフサイクルマネジメントの視点から議論し,成果を取りまとめた。
  • 斉藤 成彦, 牧 剛史, 土屋 智史, 渡辺 忠朋
    2016 年 54 巻 3 号 p. 246-252
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    コンクリート構造物の性能照査に対する非線形有限要素解析の適用が期待されるなか,2012年制定土木学会コンクリート標準示方書[設計編]には,「非線形有限要素解析による照査」が規定されることとなった。従来,性能照査に有限要素解析を適用する際は,解析より得られた応力やひずみを断面力や変形に置換することで,既往の性能照査の枠組みの中で扱うこととしていたが,局所的な材料損傷に関する詳細な情報を直接用いてはおらず,非線形有限要素解析の結果を十分に活用できていなかった。そこで2012年制定版では,ひずみや応力を利用した汎用的な照査指標を導入し,材料損傷に基づいた構造物の性能照査を可能とした。本稿では,土木学会コンクリート標準示方書に規定された非線形有限要素解析を用いた性能照査法の基本的概念を解説するとともに,材料の損傷指標を用いたコンクリート構造物の評価事例について紹介する。
  • 辻 幸和, 廣永 道彦, 庭瀬 一仁
    2016 年 54 巻 3 号 p. 253-259
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    コンクリート構造物の計画,設計,建設,維持管理にあたっては,今後強く要請されてくると考えられるリスク論的考え方に基づく評価が必要となる。本稿では,低レベル放射性廃棄物処分施設のコンクリート構築物に焦点をあてて,リスク論的考え方に基づく安全評価を,シナリオの選定と関連させて解説する。東日本大震災の前年に原子力安全委員会で制定されたリスク論的考え方に基づく安全評価の方法に基づいているが,本シナリオの選定は,今後検討が急がされているリスク論的考え方に基づく一般のコンクリート構造物の安全性と信頼性の評価ならびに維持管理などに適用できるものと考えられる。
テクニカルレポート
  • 井口 重信
    2016 年 54 巻 3 号 p. 260-267
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    中央自動車道笹子トンネルでの天井板崩落事故以降,接着系あと施工アンカーの耐久性に関する性能の確認方法が課題となっている。道路系では金属系アンカーを主として使うこととなったが,鉄道系では列車走行に伴う振動等の影響を考慮し接着系アンカーを用いることが多い。欧米では,接着系アンカーの耐久性の評価方法について一部基準化されているものの,その試験方法の詳細や試験結果については非公表のものが多い。そこで,接着系あと施工アンカーの耐アルカリ性およびクリープ特性について,欧米の試験方法を参考に検討を行った。その結果,試験方法の差異により試験結果への影響があるものの,一定の評価が可能であることが分かった。
  • 日比野 陽, 楠 浩一, 勅使川原 正臣, 荒木 正之
    2016 年 54 巻 3 号 p. 268-274
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    近年,建物の耐震性能を評価する方法として,構造物のヘルスモニタリング技術が注目されている。本稿では,広島大学工学部の鉄骨鉄筋コンクリート造建物において実施した,加速度センサーを用いた即時耐震性能評価法の実証実験について紹介している。加速度センサーにより計測された地震時の建物の加速度履歴を元にして,建物の性能曲線を算出し,基礎への入力加速度および近隣の強震観測点で得られた加速度記録から求めた要求曲線と比較し,耐震性能評価法の検証を行った。伝達関数および性能曲線の骨格曲線から得られた固有周期の比較や性能曲線と要求曲線との関係図から評価法の妥当性を示した。
  • 青木 圭一, 西田 宏司, 花島 崇, 高橋 宗臣
    2016 年 54 巻 3 号 p. 275-281
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    あと施工アンカーにおける長期持続引張荷重の影響試験は,あと施工アンカーを施工した後に長期的に持続する引張荷重が作用した場合,あと施工アンカーの抜け出し(変位量)および引張耐力がどの程度影響を受けるかを確認するための試験であり,日本ではまだ基準化されていない試験である。今回,ヨーロッパの基準(ETAG)に準拠したあと施工アンカーにおける長期持続引張荷重の影響試験を計画し,ドイツの第三者機関(KIWA)にて実施したので,本稿においてその試験方法と試験結果とを報告する。
  • 栖原 健太郎, 辻 幸和
    2016 年 54 巻 3 号 p. 282-289
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー
    普通コンクリートと膨張コンクリートを用いた異なる有効高さと配合を持つ鉄筋コンクリート梁について,同一の実験水準の梁を3体ずつ作製し,梁の曲げひび割れの発生を測定し,それらのばらつきを考慮して実験結果をとりまとめた。また,曲げ引張応力を受ける引張側コンクリートの応力-ひずみ曲線と引張ひずみの終局値の算定方法を提示し,鉄筋コンクリート梁の測定結果からコンクリートの引張特性を同定した結果を比較検討した。その結果,膨張エネルギーの大きい膨張コンクリートの引張ひずみの終局値は,普通コンクリートの値に比べて一般に大きいことが確認された。
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