Papers in Meteorology and Geophysics
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12 巻, 2 号
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  • M. Aihara
    1961 年12 巻2 号 p. 89-116
    発行日: 1961/11/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    Equations of motion, in a primitive form, of adiabatic change and continuity relation are used to examine the stability properties of the large-scale baroclinic disturbance including the non-geostrophic effect.
    Especially, in the longer and shorter wavelengths, there seem s to be no appreciable change in the stability criterion obtained so far.
    The fundamental equations involve three kinds of propaga t i ng waves. Two of them are expressed by combination of the Rossby wave and the inertial internal gravity wave, and the other is the socalled meteorologically significant wave, which propagates westward with a very small velocity.
    By using data carefully analysed, the following quantity is estimated; R=Kxt/ Kφt,
    in order to know the ratio of time rates of the kinetic energy of the divergent and rotational component of the wind.
    Simultaneously, G-number is estimated for 300,500 and 700mb levels of the atmosphere.
  • 鈴木 栄一
    1961 年12 巻2 号 p. 106-116
    発行日: 1961/11/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    さきにVol.IX, No.2, 1958で報告したエントロピーによう相関係数簡略推定方式はこれまでの方法より計算簡単で,推定効率もよいが,小さいバイアスがあるのでバイアス修正が必要であること,確率分布の正規化変換に伴う相関係数の変化を対数変換,平方根変換,両者の組合せなどについて理論的にしらべ, いずれの場合も符号はかわらず,絶対値が増大することを確め,短期降水量の実例について検討した結果を報告する。
  • 第2報地面附近のwind profileと風洞気流中の模型粗面上のwind profileの相似
    根本 茂
    1961 年12 巻2 号 p. 117-128
    発行日: 1961/11/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    地面附近のwind profileと風洞気流中の模型粗面上のwind profileの相似については,既に,高橋,相馬,根本(1951)が取扱つているが,これを別な観点から取扱つた.即ち,中立状態において,地面附近のwind profileと模型粗面上のwind profileが相似であるためには,模型の流れと自然の流れの対応する高さ(dを含んだ高さ)における摩擦係数γが互に等しければよい。これは,〓〓 およびが同時に成立することを意味し,模型と自然の場合の高さの縮率を,その時のroughness parameterの比に等しくとりさえすれば,roughness parameterが風速によつて変らない限り,任意の風速で,両者のwind profileが相似になり,その時の風速の縮率はfriction velocityの比に等しい(但し,この場合,粗面は必ずしも幾何学酌に相似であるとは限らない)。この場合両者の対応するeddy Reynolds numberは勿論いつでも一致しているが,εMMの場合以外には両者の乱流構造は相似にならない.一方,温度成層のある場合には,両者のroughness pararneterの比とstability lengthの比を等しくしてやればよいという結果が得られた。これはまた〓〓 なることを意味している.尚・中立状態の場合の一つの具体例として,台風時における市街地上の wind profile と模型粗面上のwind profileの相似について述べる。
  • 第3報 二三の実験例
    根本 茂
    1961 年12 巻2 号 p. 129-153
    発行日: 1961/11/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    第1報において,自然の場合の流れと風洞中の模型の流れが相似になるためには,両者の時間スケールの間には〓〓
    なる関係がみたされ風速の縮率と模型の縮率との聞には, 〓〓
    なる関係がみたされなければならないことを導いたが,この結論を導き出すまでの過程からみて必然的に
    (i) 現地と模型の対応する場所の乱れの強さが等しい,
    (ii)現地に対応する模型上の各場所における,x,y,z方向の各々の平均渦の大きさは,いずれも模型の縮率に応じて小さくなる,
    (iii)x,y,z各方向における各々の平均渦は,その大きさを異にし,見掛上の inertial subrange の範囲も方向別に異つているが,いつれも乱流の相似理論によつて得られた関係が適用されるinertial subrangeにある。という条件が満足されなければならない。従つてこれを実験的に確めるために,江の島灯台において平均風速の高度分布および各高度における風速変動を測定し,一方模型実験で同様の測定を行い,上述の条件について調べた。その結果,充分とはいえないが10分前後の比較的短い観測時間に対しては,ほぼこれらの条件が満足されることがわかつた。なお,簡単な二次元の模型として,寸法の違つた二枚の衝立を用い,その背後の各点における wind prfiles を測定し,相互に比較した結果によつても,風速の縮率と模型の縮率との間に前述の関係がみたされるとき,よい相似が得られることがわかり,更に,模型の縮率が水平方向と垂直方向とで異なつている場合についても,平均の垂直流が無視出来るような場合には,同じく上述の関係を用いて実験風速より現地風速をよい近似で推定することが可能であることがわかつた。
  • 1961 年12 巻2 号 p. 154-
    発行日: 1961年
    公開日: 2012/12/14
    ジャーナル フリー
  • 田村 昌進, 津田 直吉
    1961 年12 巻2 号 p. 155-162
    発行日: 1961/11/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    この重量式自記積雪量計については1958年の本誌(Vol.9 No.2)に報告したがその後一部を改良して二基を試作し長野県上高地と高田に設置して実地試験を行つたのでその改良型の構造の概略と実地試験の結果を報告し,同様の原理を用いた自記雨雪量計についてもその構造ものべた。
    自記積雪量計の主な改良点は歪計の変位量を拡大し自記部に伝達する為に「ナイフエッヂ」を支点とした二重積桿を用いたことである。次に実地試験地としての高田は風弱く気温はあまり下らず積雪は平均に積り非常に条件のよい場所であつたが上高地は低地で水の溜り易い場所であり気温が低くなる為にこれが凍つて積雪の最下層は殆んど氷盤となり厚い所は5cmにもなつた。また風が強く雪は平均に積らず傾斜して積り非常に条件の悪い場所であつた。しかし自記記録の結果は第5図に示すように「サンプリング」の値と殆んどよく一致して居り第6図の高田の結果と比較して遜色がない。
    次に自記雨雪量計は上記の自記積雪量計の性能を更に拡張補捉したものであり,積雪量のみならず融雪量も測定でき夏期にはそのまま雨量計として用うることができるようにしたもので,その構造は受雪部の床の中央部を低くし融雪水や雨水を集め之を自記部の下にある地下室に導いて転倒桝で測りその回数を積雪量と同一の自記紙に記録させるようにしてある。これは地面に落ちた雨や雪をそのまま測るのであるから普通の雨量計や雪量計のように捕捉率等を問題にする必要がないことを特長とする.
  • 籾出 政子
    1961 年12 巻2 号 p. 163-179
    発行日: 1961/11/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    日本における季節病の冬季集中の傾向を解明するために次のような研究を試みた.
    1)季節病カレンダーの歴史的移り変りを明かにするために,東京都の大正時代(大正1~5年)のカレダーを作り,昭和の初期及び最近のそれと比較してみた。大正時代には昭和の初期よりも一層夏の部分にン季節病が集中し,しかも死亡率の値も一体に高かつた。また,大正時代には心臓病,脳出血,老衰等の老人病に冬の山のほかに,夏にも小さな山がみられた。
    2)季節病ごとに冬季の死亡割合(冬季指数)と夏季の死亡の割合(夏季指数)の歴史的変化(大正1~昭和34年)を追求した。脚気,結核,腸炎は夏季指数が常に冬季指数より高かつたが,年次別にその胴きは小さくなり乳脚気は昭利13,14年,結核は25年,腸炎は29年に両者はクロスして,以降は冬季指数が上位に来た。癌も夏季指数の方が高かつたが,最近では両指数の差はちぢまつてきた(癌だけは秋に流行期があり,従つて秋季指数が最も高い)。更に老入病の脳出血,心臓病は常に冬季指数が高く,夏季指数との間に大きな開きがあつたが,戦後は開きがますます増大して冬季指数は一層高まつていく傾向をみせる。
    3)ここにあげた数種の疾病,及びほかのすべての疾病をふくめた総死亡は,元来夏と冬とに2つの山を示した。それが夏の山は年次と共に低下して昭和30年には夏の山は完全に消失した谷となり,冬の山のみクローズアツプして来て,結果としては死亡が冬季に集中する型となつた。こういつた総死亡の冬季集中の傾向は,従来冬型であつた老人病の全死亡に対する比重が増大してきている傾向のほかに,従来夏型であった疾病までも冬季に移動したという事実が積み重なつてもたらされた結果と考えられる。また,戦後,日本人の寿命がのびて年令構成が高年令層によつて来ている(高年令になるほど冬の山は鋭くなる)。これら2つは相乗的作用を発揮し,疾病死亡の冬季集中の傾向をますます助長させる。
  • 三宅 泰雄, 猿橋 勝子, 葛城 幸雄, 金沢 照子
    1961 年12 巻2 号 p. 180-181
    発行日: 1961/11/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    東京におけるCs-137及びSr-90の蓄積量はCs-137については,1960年7月までに69,4mC/km2,Sr-90については,同年12月までに24.8mC/km2となり,Cs-137対Sr-90の比の平均は2.9であった。
    両者の成層圏における平均滞留時間は,1.3乃至2.6年と計算され,また,今後,核実験が行なわれないと仮定した場合の将来の蓄積量が計算された。
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