Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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50 巻, 1 号
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原著論文
  • 勝間田 明男
    1999 年50 巻1 号 p. 1-14
    発行日: 1999年
    公開日: 2006/07/25
    ジャーナル フリー
     最大変位振幅の減衰関数をモーメントマグニチュードに基づき求めた。これはどの深さの地震についても、平均的にモーメントマグニチュードとほぼ同じとなる従来型のマグニチュードを計算することを目指して推定した。この関数を用いて計算した深い地震のマグニチュードは、従来深い地震のマグニチュード決定に用いている勝又の式で計算されるマグニチュードに比べて0.3ほど小さな値となっている。この関数は震源距離30km以上のデータに対して適用可能である。求めた関数は気象庁により1977年1月から1994年2月までに観測されたデータに基づいている。1994年に更新された現在の気象庁の地震観測網により得られたデータに対して適用するための補正も求めた。
  • 柴田 清孝, 吉村 裕正, 大泉 三津夫, 保坂 征宏, 杉 正人
    1999 年50 巻1 号 p. 15-53
    発行日: 1999年
    公開日: 2006/07/25
    ジャーナル フリー
     気象研究所の新しい共通気候モデル (MRI/JMA98) によるシミュレーションの予備的な結果を季節、月平均値に焦点を絞って述べている。モデルは気象庁の数値天気予報用の現業モデルに基づいている。水平分解能は三角形切断の T42 に減少させたが、鉛直にはトップを中間圏界面 (0.01hpa) に上げて層の数も45層 (L45) に増やした。もう少し背が低く、トップが成層圏界面の上の 0.4hPa で30層 (L30) のモデルも作られた。いくつかの物理過程は改良されている。放射過程は中層過程は中層大気でも充分に精度が高くなるように太陽放射、地球放射スキームとも入れ替えられている。地表面の水文過程も改良されている。地中温度の層の数を2層から地中水分と同じく3層に増やし、熱と水の収支を一貫させた。このため、水の融解や凍結の厳密な取り扱いが可能となった。
     気候値の海面水温を使って、4年と3年の積分を T42L30, T42L45 の両モデルでそれぞれ行った。両モデルとも現実大気のおおよその特徴を首尾良く再現している。トップの高さの効果や強化水平拡散の効果を調べる実験も行い、それらの結果も述べられている。
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