Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
Print ISSN : 0031-126X
ISSN-L : 0031-126X
48 巻, 4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
原著論文
  • 上垣内 修
    1998 年 48 巻 4 号 p. 89-100
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     近年地殻変動観測の主流となりつつあるボアホール型測器に対する海洋潮汐荷重効果の影響評価等のため、標記グリーン関数を計算した。1km以浅の深さに対して正確な計算を行うためには、固有関数、ルジャンドル関数ともに次数百万以上まで必要である。当該深さでのグリーン関数の振る舞いは、地表での振る舞いと特に荷重近傍において著しく異なる。また、荷重近傍では地表、地下にかかわらずブジネスク近似とよく一致する。さらに、面積歪及び体積歪に関する気圧係数は、地球の地下構造や埋設深度の影響を反映してスケール依存性を示すことがわかった。
  • 塚越 利光, 小高 俊一
    1998 年 48 巻 4 号 p. 101-113
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     近年の伊豆半島における地殻の上下変動の図を参照すると、(1) 隆起の中心が移動すること、(2) 目玉状の振幅の大きな隆起域に隣接して小振幅の沈降域があること、など幾つか特徴的な現象が見受けられる。
     本研究では、指向性を有する圧力源モデルを新たに導入して、三次元有限要素法による数値解析等を行い、これらの地殻変動現象がこのモデル、あるいは球状均等圧力源モデルによって定性的に説明可能であるかの考察を行った。
     その結果、(1) については複数の分布した均等圧力源あるいは指向性圧力源により説明可能である。(2) についても同様である。しかし、均等圧力源モデルでは沈降域の目玉の真下に圧力源 (減圧) が存在しなければならないが、ある特定の期間に典型的に見られた上下変動パターンの場合、沈降域の目玉の付近に圧力源となる火山などは分布せず、均等圧力源では説明困難であり、指向性圧力源で説明できる可能性があることがわかった。その他、指向性圧力源は、開口断層に比べて、隆起域に隣接して生じる沈降域をより効率的に生じ得ることを示した。
     また、球状均等圧力源モデルに対して計算を行い、本稿で用いた数値解法の妥当性を確認するとともに、低速度表層の存在がそれの無い場合に比べて水平変位を1.3倍程増大させることなどを示した。
  • 増田 一彦
    1998 年 48 巻 4 号 p. 115-122
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     風向が海面射出率に与える影響について3.7μm, 8.8μm, 11μm, 12μmの波長について調べた。風向は射出光の方向から 0°, 45°, 90°, 135°, 180°とした。また風速は1m/秒から15m/秒まで変化させた。風向の影響は天頂から計った射出角が 60°までは、風速が大きい場合でも、0.002以内であり、実用的な海面温度の推定精度におよぼす影響は少ない。風向の影響は射出角が60°以上で現れてくるが、その影響の大きさの上記の4波長間での差は0.003以下であった。
feedback
Top