Papers in Meteorology and Geophysics
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40 巻, 1 号
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原著論文
  • 馮 徳益, 呉 国有, 市川 政治, 伊藤 秀美
    1989 年 40 巻 1 号 p. 1-19
    発行日: 1989年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     東海地域およびその周辺域での地震前兆現象を解析するためにファジイパターン認識直接法を応用する。本方法の要諦は、1種又は多種の前兆に対する帰属度関数を適切に構成することにある。本方法により降雨などのノイズを取り除き、前兆をより明確に捉えることができる。地下水中のラドン濃度、地下水位、傾斜、潮汐、体積歪のデータ中の前兆現象の検出を試み、短期予知のための前兆解析方式を検討する。地震前の前兆の時空間的特徴についても議論する。
  • 小泉 岳司, 吉田 明夫
    1989 年 40 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 1989年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     湯河原体積歪観測井での水位の同時連続観測により、歪計に及ぼす地下水位変動の影響を調べた。その結果、湯河原では、降水後の地下水位の上昇に伴い、歪はまず膨張し、その後、約2日の時間遅れで縮みのセンスを示すようになる事がわかった。これは、歪計センサー付近のごく局所的な帯水層の間隙水位の上昇による岩盤の膨張と、より広い範囲の帯水層の歪計に対する荷重が合成された効果と考えられる。また、その応答特性は季節により大きく異なり、これは、地下の状態の違いにより、降水→水位→歪と影響が伝わっていく仕方を表す伝達関数の形そのものが変化する事を示しているものと思われる。
  • 橋本 徹夫, 舘畑 秀衛, 清野 政明
    1989 年 40 巻 1 号 p. 29-38
    発行日: 1989年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     約12年ぶりの伊豆大島火山の1986年11月の噴火に先立ち、約4か月前の7月から、断続的に火山性微動が発生した。大島測候所の観測点A点 (三原山火口から0.8km) の地震計のデータを用いて、この前兆的性質を持った微動の特徴を述べる。
     この前兆的微動は、一定の発生間隔で発生し、振幅及び継続時間が安定した発生様式を持つことが主要な特徴である。このような断続微動の発生メカニズムは、発生源に継続的にエネルギーが供給され、蓄積されたエネルギーが、あるしきい値に達した時に解放され、同時に微動が発生するという過程を示しているように思われる。更に、詳しくみると、最大振幅が除々に増加して行くとともに、最大振幅の卓越成分は、微動の発生の当初、EW成分であったが、除々にNS成分が大きくなった。断続微動の発生間隔は、全体的には約2時間であるが、7月19日~21日と10月21日~24日では約3時間であった。10月24日に断続微動が止まって、10月27日からは連続微動になった。最大振幅の見かけの周期は、約0.6秒であり、ほぼ一定と見なせる。これらの事実の中には、個別的には発生源の移動、伝達経路で説明できるものもあるが、全体的には、発生メカニズムによると考えられる。
     また、最大振幅・周期・継続時間から推定された1986年の前兆的火山性微動のエネルギーは、総量1015ergのオーダーであり、噴火が近付くに連れて、エネルギーの放出率が増大したという特徴を持っている。
  • 佐藤 純次
    1989 年 40 巻 1 号 p. 39-49
    発行日: 1989年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     エア・トレーサーを有限時間に放出した中規模大気拡散実験において、トレーサープルームが風下方向に引き伸ばされる現象が観測された。このような有限長プルームの引き伸ばされた部分は、トレーサーを瞬間的に放出したパフの拡散の場合と同じであると仮定することによってx方向の拡散パラメータ、σxを求めることができる。有限長プルームから求めたσxを 「安定」、「ほぼ中立」、「不安定」 の3階級の大気安定度に分類し、他の類似した規模の拡散実験結果と比較した。安定条件ではσxの値が僅かではあるが小さい傾向が見受けられたが、σxの風下方向への変化に対する安定度の影響は認められなかった。
     さらに、連続条件を満足するようにトレーサーの放出時間、サンプリング時間、トレーサープルームの長さを考慮した時間平均濃度を適正に評価する方法を検討した。この方法はいかなるサンプリングモードにも適用できる。
  • 小寺 邦彦, 千葉 長
    1989 年 40 巻 1 号 p. 51-54
    発行日: 1989年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     NOAA/NESDISの人工衛星による積雪被覆のデータと500mbの気圧面高度のデータをもちいて、春の積雪面積の変動と夏の大気の循環場との関係をしらべた。その結果、西シベリアの4月の積雪面積と6月の東アジア北部の500mb高度との間に良い相関が見いだされた。
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