エア・トレーサーを有限時間に放出した中規模大気拡散実験において、トレーサープルームが風下方向に引き伸ばされる現象が観測された。このような有限長プルームの引き伸ばされた部分は、トレーサーを瞬間的に放出したパフの拡散の場合と同じであると仮定することによって
x方向の拡散パラメータ、σ
xを求めることができる。有限長プルームから求めたσ
xを 「安定」、「ほぼ中立」、「不安定」 の3階級の大気安定度に分類し、他の類似した規模の拡散実験結果と比較した。安定条件ではσ
xの値が僅かではあるが小さい傾向が見受けられたが、σ
xの風下方向への変化に対する安定度の影響は認められなかった。
さらに、連続条件を満足するようにトレーサーの放出時間、サンプリング時間、トレーサープルームの長さを考慮した時間平均濃度を適正に評価する方法を検討した。この方法はいかなるサンプリングモードにも適用できる。
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