つくばにおいて、1991年2月5日の日中に発生した風塵を観測した。半径0.15から5μmのエアロゾル個数粒径分布の時間変化をオプティカルカウンターにより測定した。また、電子顕微鏡によって粒子組成を分析するため、エアロゾル粒子を電子顕微鏡グリッド上に採集した。
風塵の発生は大気の激しい鉛直混合が起っている気象状態において認められた。その発生時におけるエアロゾル粒径分布は、半径1μm以上の粗大粒子の濃度が高かった。しかし、電子顕微鏡分析から、粗大鉱物粒子のモードだけでなく、半径0.5μmより小さい半径領域にも鉱物粒子のモードがあることが分かった。
水平風速の増大による砂粒子のsaltationによるsandblastingとbombardment過程に加えて、塵旋風による鉱物粒子の巻き上げも風塵の発生にとって重要であることが示唆された。
抄録全体を表示