太陽活動の変動が気象現象に及ぼす影響を主として平均500mb天気図により分析した.主な結果はつぎの如くである.
(1) 10年平均の黒点数,台風,洪水,大雪などの回数の変化には平行性が認められる.
(2) 月平均黒点数が増加すると2月ほどおくれて高緯度の月平均500mb高度が増加する.
(3) 冬季館野の10kmの風速は,半旬黒点数が増加すると強くなる.
(4) 半旬黒点の極大期と極小の時の500mb高度差を求め,平均の合成図をつくると,500mb高度は高緯度で減少し,太平洋北部,大西洋北部で増加する.
(5)4.8月周期及び25日周期が太陽活動及び気象現象にあり,これを利用して太陽活動変動の影響を調べることが出来る.
(6) 50度付近を境にし,高緯度と低緯度の500mb高度は逆位相で変化する.
(7) 一般的にいつて太陽活動変動の示数としては,最近いわれている
K-示数よりは,黒点の方が気象現象への影響の目安としては適当のようである.
(8) これらの結果は,太陽活動が盛んになると南北混合が盛んになるという結論に通じている.
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