Papers in Meteorology and Geophysics
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39 巻, 3 号
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原著論文
  • 藤部 文昭
    1988 年39 巻3 号 p. 79-94
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
     8または9年間のAMeDAS資料と26年間の地上気象観測資料を使い、6~9月を対象として降水量と雷雨発現頻度の日変化を調べた。降水については局地的降水と広域的降水とを区別した。
     日変化は降水型によって異なる。(1) 局地的降水と雷雨…内陸では15~18時に集中する。地域や地形によってピークの時刻に2時間程度の差がある。一方、沿岸・島では03~06時に極大が現れる。ただし南西諸島の大きな島では正午過ぎに極大が現れる。(2) 広域的降水…沿岸・内陸を問わず未明~朝に弱い極大を持つ。ただし南西諸島では正午頃に極大が現れる傾向がある。
     なお、降水頻度にも降水量と同様の日変化がある。日変化は強い降水ほど著しい。
     降水・雷雨の日変化については、すでに世界各地で広く研究が蓄積されてきた。特に暖候期については研究例が多く、局地的降水と雷雨に現れる沿岸と内陸の対照は対流性降水の一般的性質である。一方広域的降水に見られる朝の弱い極大は、寒候期の降水についての二、三の研究結果と共通しており、大規模擾乱に伴う降水の特性であると思われる。また、南西諸島の特異な日変化についても、熱帯の海洋を対象とした研究結果の中に類例を見出すことができる。
  • 三宅 泰雄, 猿橋 勝子, 杉村 行勇, 金沢 照子, 広瀬 勝己
    1988 年39 巻3 号 p. 95-113
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
     放射性降下物の太平洋およびインド洋への影響について今まで多くの研究を行ってきた。本報告では、南大洋表面水の、137Cs、プルトニウム同位体 (238Pu, 239Pu, 240Pu, 241Pu) およびアメリシウム (241Am) の濃度と分布について報告する。
     試料は1977-1978年に、オーストラリアおよびニュージーランドの南方海域で採取した。上記放射性同位体は、船上で大量の海水から共沈濃縮し、陸上の研究室へ持ち帰った。
     137Csはリンモリブデン酸アンモニウムと共沈させた。プルトニウムとアメリシウムは水酸化マグネシウムと共沈させた。137Csの定量はガンマ線波高分析法で行った。プルトニウムとアメリシウムは、水酸化マグネシウム沈澱からイオン交換樹脂法を用い分離したのち、アルファ線波高分析法により定量した。南大洋の137Cs濃度は0.02~0.15pCil-1239+240Puは0.2~2.5×10-4pCil-1241Amは0.2~0.5×10-4pCil-1であった。238Pu⁄239+240Pu放射能比は20~160%を示した。今回の結果とそれ以前の分析結果について比較検討を行った。
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