Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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40 巻, 2 号
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原著論文
  • 高山 寛美
    1989 年40 巻2 号 p. 63-81
    発行日: 1989年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     1985年8月より、日本電信電話会社 (NTT) の協力を得て、電話局の通信用アースとその間の地中埋設ケーブルを使って長基線地電位観測を行っている。電極の接地抵抗が低く、埋設深度が深いために長期的に安定した記録が得られている。地電位の原因には多くのものが考えられるが、地殻活動との関連を明らかにするためには、その特徴を調べることが必要である。
     沼津付近の地電位差変化では継続時間が10分以下のスパイク状の変化が大きい。直流電化された電気鉄道や工場などの電気施設からの漏洩電流が原因と考えられる。スパイク状変化の振幅は降雨時に大きくなる。電気鉄道の線路の大地に対する漏洩抵抗が低下し漏洩電流が大きくなるためと考えられる。したがって1日の標準偏差は日降水量と相関がみられる。いくつかの測線では日平均値も日降水量と相関をもっている。ローパスフィルターを通すことによって地磁気変化による誘導電位変化を同定することができ、その変化が最大になるのはほぼ東西方向である。地電位差変化と潮位の関係は、ともに気圧あるいは降水との関連がみられるために明かではない。
  • 気象研究所GCMと観測の比較
    鬼頭 昭雄
    1989 年40 巻2 号 p. 83-101
    発行日: 1989年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     気象研究所大気大循環モデル (GCM) の12年ラン及び8年間の観測値 (1980-86はECMWF、1987は気象庁解析) の北半球500mb高度場のパーシステンスについて調べた。GCMのパーシステンスは晩冬に高く秋に低く、非対称な季節変化をしている。更に北半球を太平洋域と大西洋域の2つに分けると、太平洋域で常に大西洋域よりパーシステンスが低い。これらは観測と異なっている。観測ではパーシステンスの季節変化はGCM程大きくなく、又太平洋域・大西洋域に明瞭な違いは認められない。
     またHorelと同様に連続して一週間以上の期間、それぞれのアノマリーマップ間のパターンコリレーションが0.5以上あるイベントを準定常イベントと定義した結果、GCMには43個の、観測には25個の準定常イベントが得られた。それらをクラスター解析によりそれぞれ5個、4個の特徴的なアノマリーパターンに分類し比較した。
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