Papers in Meteorology and Geophysics
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11 巻, 2-4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 1960 年 11 巻 2-4 号 p. e1-
    発行日: 1960年
    公開日: 2012/12/14
    ジャーナル フリー
  • 荒川 秀俊
    1960 年 11 巻 2-4 号 p. 191-195
    発行日: 1960年
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    密度のやゝ大きな泥水を水槽中にたらして対流をおこすと きのこ型の雲(倒立)に似た形になる もしも水槽を回転すると回転の速度が小さいうちは対流は乱れをおこしながらもきのこ型にとゞまる しかし回転の速度がある限度より大きくなると 著者がトルネード型と呼んだ全く異質的な対流になる この二種の異質的な対流は気象学的に大きな意昧があると考えられる
  • 内田 英治
    1960 年 11 巻 2-4 号 p. 197-212
    発行日: 1960年
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    積雪面よりの蒸発量を求める為に 従来種々の公式が乱流領域にて導かれているが若し風速が比較的小さく粗度が或程度以上大きくないならば境界面上の分子拡散領域の厚さが推定出来それによって水蒸気勾配が計算されるので 蒸発量は求めることが出来る この方が原理が簡単で精度もよいと思われるので 積雪面上で(又実験室内で)風速 温度 湿度のプロフィルを測定してこの厚さを推定して見た野外に於いては同時に積雪表層の雪のレプリカを採取し 顕微鏡により粒子の変形を調べた
  • 小林 寿太郎
    1960 年 11 巻 2-4 号 p. 213-338
    発行日: 1960年
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    大気中の水蒸気量を測定する方法について電子管式露点計 毛髪湿度計 電気湿度計を吟昧した
    初めに 今迄に研究されてきた各種の湿度計の分類を行い この分類をもとにして 個別に その長所と短所とを列挙し総合的に批判を行い 特に低温度に於ける計測を容易に可能にするものとして 光電管式露点計毛髪湿度計電気湿度計があげられることを示した
    光電管式露点計においては 気象及び鉱工業方面において 使用に適した所の1ケの光電管を露点鏡面上の露の検出器として用いた簡便な測定方式についてその動作特性設計基準について述べたREGNAULT以来踏襲されてきた動作原理に批判を行い動作特性及び測定精度に悪影響をもつ所の塵埃の沈着露から霜への相転移に就いては顕微鏡を併用して動作中の光電管式露点計の露点鏡面上の露の観察を行い この防除の一方法として沃化銀粒子を含んだシリコンワックスを鏡面上に塗布するのが良いことを見出した 測定精度については 硫酸水溶液の平衡蒸気圧との比較 更に通風式乾湿球湿度計
    毛髪湿度計との比較がなされ 相対湿度にして±1%以内の確度があることを示した なおこの方式の応用として ラジオゾンデ用の露点計と 地上用としての熱電冷却式露点計について略述した 毛髪湿度計については感湿要素の毛髪の動作特性 特に個有な好ましくない動作特性-履歴効果 低温及び低湿における応答に要する時間の増大 高湿度における感度の低下等一のよってくる原因とその除去について 種々試みられた方法 処置を示した 毛髪の表面及び断面構造の電子顕微鏡及び光学顕微鏡の観察を参考にしながら ゲールザックスケールと吸出量との関係更に各種の処理 (圧延による機械的処理化学処理(硫酸硫化バリウム等))を受けた毛髪の特性を従来の毛髪との比較を行いながら温度係数 おくれ経日変化 毛の種別の違いによる特性の差等について吟味され 特に 硫化バリウムを受けた毛髪を更に圧延しこれに硫酸処理を加えたものが 最も動作特性がよく 相対湿度にして±2%の測定精度を維持することを示した この応用として 一定荷重の張力下に常に維持される遠隔自記毛髪湿度計を示した 測定精度の吟味は 従来用いられて来た毛髪湿度計 米国式電気湿度計 露点湿度計との比較を行い 高湿度における測定には 電気湿度計に比し優っていることが見出された
    電気湿度計においては 電解質式(塩化リチウム)電気湿度計 炭素皮膜電気湿度計について その製作 動作特性について詳述した各種の試作された感湿膜(ポリ醋酸ヴィニール膜部分鹸化されたポリ醋酸ヴィニール膜 ポリヴィニールアルコール膜 更にこれに黒鉛粉末を混入したもの)の湿度電気抵抗特性 経時変化 おくれ 温度係数及び分極現象について行った実験結果を示し 経時変化の除去については 醋酸ヴィニール膜を用いた場合には 加熱処理を ポリヴイニールアルコール膜にあっては黒鉛粒子の混入と 用いられる表面活性剤の吟味により 僅少にすることができ 高湿度において現われる感湿膜の流動現象をも一応阻止できることを示した
    これらの結果は 試作された炭素皮膜電気湿度計の動作特性と比較参考しながら吟味された 測定精度の吟昧は通風乾湿計 毛髪湿度計 露点湿度計と霧中及び乾燥した状態において行われ相対湿度±2%以内にあることが認められた これらの湿度計の動作特性測定精度 許用限界に関する結論は 価別に各章の末屡に要約して示し併せて将来解決されるべき問題点をも提起した これらは附表において総合的に集約されている
  • 南日 俊夫
    1960 年 11 巻 2-4 号 p. 339-347
    発行日: 1960年
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    黒潮流軸の平均状態はきれいな正弦曲線を示し その波長はほぼ1000kmである これは琉球及び伊豆両諸島間の距離に相当し これらの海底山脈を越える所で流軸の位置の標準偏差は小さい 即ち黒潮は恰かも両画脈上で位置を固定され進行左側を本州で制限された正弦曲線を示し その波は進行もしなければ出と谷がその位置を入換もしない 伊豆諸島を通り抜けた後は 144°E, 36.6°N迄北上して日本本土を離れながらやはり1000km 程度の波長で蛇行する
    遠州灘で五年前後の周期で流速が弱まる時に蛇行の谷の位置の振幅が大きくなる 即ち冷水塊が成長するこの程度の周期は北太平洋の風ののストレスによる西岸の質量輸送にも見られる周期である 但し両者の周期は一致しない
    又流軸の位置の統計より乱流拡散係数は107~108cm2sec-1でその取扱った現象の規模より妥当な値と考えられる
    併し黒潮の流路について これらの任意の位置の間に相関が認められないので統計的な予報は不可能である
  • 三崎 方郎
    1960 年 11 巻 2-4 号 p. 348-355
    発行日: 1960年
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    イオン数測定にあたって 通風筒内の気流の乱れは誤差の主原因となるが この気流分布を実際にたしかめた例は極めて少い 最近ではG.A. Faucherが四塩化チタンの煙をガラスのモデル筒内に導入して乱れを生じている箇所の検出を行っている
    今回 イオン・スペクトラムを測定する目的で新作したイオン測定筒は 特に筒内に層流を得ることを主眼として設計されている 流れの模様を調べるためには 通風筒の外筒電極部をアクリール樹脂製の全く同一寸法の円筒にとりかえて 内部透視が出来る構造とし 煙草の煙の線条を気流に導入して写真撮影を行ったこの結果流量4l/secから9l/secまでの範囲ではほぼ層流とみて差支えないことがわかった
    なお イオン数測定法の原理からみて,筒内の気流は層流でありさえすれば 必ずしも一様でなくてもよいが断面上の分布が風上と風下で変形することは許されない煙のパフを筒の入口から週期的に導入して その列を撮影し 筒内の流速分布を精測した結果 上述の流量範囲内では 分布が変形していないことをたしかめた
  • 嘉納 宗靖
    1960 年 11 巻 2-4 号 p. 356-360
    発行日: 1960年
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    太陽輻射の波長別測定を用いて大気中のaerosolの粒度分布を求める新しい光学的方法を得た 地上又は高所で測定されるaerosolによる波長刷の減衰係数は大気中にある種々の大きさをもつaerosolの波長別減衰係数の総和である すなわち各波長におけるaerosolによる減衰係数はこれらのaerosolの数(求める未知数)を含む方程式で示される そこでaerosolを大きさに従って幾つかに組分けし その組分けの数に等しい数の種々の波長の所で太陽輻射の減衰を観測すると 未知数(各組のaerosolの数)に等しい数の連立方程式が得られる するとこの式は一般に一義的に解が定まり 従って各組のaerosolの数すなわち粒度分布が求められる ところが一々このような方程式を解くことは極めて煩雑で不便であるので この連立方程式をmatrix表示し 既知係数よりなるmatrixの逆matrixを計算し このmatrixの要素表を作成しておけば この表より観測値を用いて簡単な計算によって aerosolの粒度分布が得られることを示す
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