Papers in Meteorology and Geophysics
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20 巻, 3 号
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  • 地表面低気圧発達論
    竹内 衛夫
    1969 年 20 巻 3 号 p. 207-251
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    本論文に於ては,綜観的な立場から取扱うことが出来る低気圧発達の理論が述べられている。併せて,亦数値予報の傾圧大気モデルにおける力学的な性質を綜観的な観点から理解することが目的とされている。
    そのために,大気モデルとして,数値予報の傾圧モデル大気が採用され,次のように仮定されている。
    (1)準地衡風近似が成立しているものとする.
    (2)垂直気流分布が,次のような分離形でかくことが出来るものとする。
    ω=B'(p)ωk(x, y, t)
    (3)数値予報における層モデルに於て,使われている組分された層の中では,物理的諸量が高さと共に一次的に変化しているものとする。
    (4)非断熱項として,海表面からの顕熱の輸送項の影響を考慮する。
    この大気モデルは,凝結の潜熱の影響(安定成層の場合の)を除いては,大凡現用の準地衡風近似の層モデルと同様である。
    これらの傾圧大気を取扱って,本論文に於ては,
    (1)渦度方程式に於て,準地衡風近似を採用るこすとは,風の近似として,傾度風成分及び,Brunt-Do-uglas風成分を採用して,且つその発散をとったことに相当していることを示した。
    (2)垂直気流方程式(ω-方程式)から,Fjφrtoftの数値積分法によって,非断熱摩擦,地形の影響を考慮した層モデルにおける垂直気流及び発散の計算式を導いた。
    (3)上述の発散の式を用いて,Sutcliffeの地表面発散式の近似度を吟味した。
    (4)地表面附近の摩擦層における,準地衡風近似や熱の仮定の不正確さを補い,且つ,地表面発達に対する偏西風帯の上層の役割を明らかにするために,地表面発散を対流圏上層及び摩擦層の上の下層の発散を用いて表現する方法(加重相対発散と名付けられている)を提案した。
    (5)(2),(4)の結果を用いて,地表面低気圧の発達と低気圧軸の垂直方向における傾斜との関係を明らかにし,軸が高さと共に西に傾いた低気圧は発達し,束に傾いた低気圧は衰弱することを示すことができる。これらの関係は,よく知られている綜観的事実を説明するものである。
    (6)以上の計算式を用いて,偏西風帯の地表面低気圧の発生,発達,閉塞,衰弱に関する綜観的諸事実を説明した。また,指向の原理が近似的に成立していることを示した。
  • 蔵重 清
    1969 年 20 巻 3 号 p. 253-273
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    一般にk(≧2)箇の気象現象の同時比較では,有意水準αのF分布パーセント点の代りにα/kの水準に対するF分布パーセント点が必要となる。既存のF-表のα のきざみでは不足なので,細かく水準をとった場合の計箕を行なった。
    水準α のきざみは100%から0.01%までの295箇
    α=100.0(1.0)26.0,25.0(0.5)10.与,10.0(0.1)1.1,1.00(0.01)0.01%Pとし,自由度の組
    (n1,n2)=(1,1),(1,3),(1,9),(3,3),(3,9),(9,9)に対して計算を行なった。自由度が小さな値の時は,精度の高い近似式あるいは展開式が与えられていないので,F-分布の水準αの定義式に対し直接数値積分を反復行なって求めた。自由度の組が(1,9),(3,3),(3,9),(9,9)の場合はほぼ有効数字5桁の精度のF-表が得られたが,自由度の組が(1,1),(1,3)の場合の精度は多少おちる。そこで後者の場合はNewton-Raphso捻の方法で最小有効数字8桁にまで精度を高めた。
    したがってここに報告するF表は次の有効数字の桁まで正確になっている。
  • 余震域と本震による震度分布
    山川 宜男
    1969 年 20 巻 3 号 p. 275-286
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    最初に,大地震の震央は,決して震源域の中心にあたるわけではなく,単に“地震”と呼ばれる大破壊の出発点にすぎないこと,それ故時々見られる大地震の震央と,それによる震度分布の対応の悪さは,ある意味で当然であることを強調した。
    第二に,たとえば東南海地震の場合における様に本震による震度分布と余震域のかなりよい対応は,後者が本震による破壊域に対応すると考えられることから理解されることを指摘した.
    第三に,もう少し立ち入った議論として,本震による震度分布とよい対応を示す余震域は,所謂全余震域ではなく,余震域の中で,エネルギー集中を示す狭い地域,すなわち著者の定義による直接的な余震だけがおこる地域であることを指摘した。
    最後に,関連した地球物理学的,地震学的諸特徴を簡単に論じた。
  • 1969 年 20 巻 3 号 p. 287-
    発行日: 1969年
    公開日: 2012/12/14
    ジャーナル フリー
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