Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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39 巻, 4 号
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原著論文
  • 森 一正
    1988 年 39 巻 4 号 p. 115-133
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
     Japanese El Niño Experiment 1987 (JENEX-87) が、1987年2月、中部赤道太平洋上の観測船 「なつしま」 船上で行われ、著者はその気象観測に従事した。本報告では気象観測結果の概要を示し、我々が遭遇した二つの注目すべき総観規模擾乱の事例について述べる。
     一つは赤道近傍 (∼10°S) の熱帯低気圧であり、赤道付近 (0°S-5°S) での北側断面では強い下層西風が観測された。他の一つは5°S、180°E付近での上層低気圧性渦状擾乱であり、その南西—北東断面は、この擾乱が上層寒気を伴う三次元的構造を持つことを示唆している。
  • 内陸地震発生パターンに基づくテストケース
    前田 憲二
    1988 年 39 巻 4 号 p. 135-147
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
     与えられた情報からその本質を計算機に学習させる帰納的学習法の1つに決定木を用いる方法がある。ここでは予測手法としてこの方法を応用し、種々の内陸地震の発生パターンからマグニチュードを予測する決定木を作成する3つの方法を紹介し、それぞれを比較した。その結果、データにノイズがある場合を含め、負のAICを用いる方法が最も予測手法として有効であることが分かった。
  • 古屋 逸夫, 小高 俊一, 高橋 清一, 島村 英紀, 岩崎 貴哉
    1988 年 39 巻 4 号 p. 149-161
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
     発生が懸念されている東海地震の前兆現象捕捉のため、多数の機関による多数の観測点が東海地域に展開されている。それらの観測点のうち深井戸を用いた水温・地殻歪み・水位の観測点のデータ、2年半分の解析を行った。観測点付近に発生した小地震との関連は明らかではないが、観測データの日常の振舞いについて多くの知見を得、これは前兆現象発見の助けとなろう。また、今回の観測期間の最後に発生した大島三原山の大噴火に伴う、あるいは、その前兆的な歪み・水温変化についても、本論文中に報告されている。
  • 成瀬 弘
    1988 年 39 巻 4 号 p. 163-172
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
     雲核測定用として、以前に試作した熱拡散型チャンバー (成瀬, 1978) に散乱光方式とタイマー機構を加えて自動化を行った。雲核濃度は、カメラ窓の反対側に光電子増倍管を取り付けて、雲粒の散乱光を記録した。この散乱光のピーク値は、写真計数によって検定曲線を作り、雲核濃度に換算した。更に、この装置を精度よく使用するために、過飽和度の最低限界と最大濃度について実験的に調べた。
     この装置を用いて、つくばの気象研究所において、雲核の測定を行った。時間ごとの測定値から、雲核スペクトルの季節変化、雲核濃度とエイトケン粒子濃度や大粒子濃度との関係および気象との関係について調べた。
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