Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
Print ISSN : 0031-126X
ISSN-L : 0031-126X
15 巻, 3-4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 井沢 竜夫
    1965 年 15 巻 3-4 号 p. 167-200
    発行日: 1965/03/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    2次元または多次元ガンマ型分布のいくつかの重要な性質が実際の降雨量に応用するために研究される。初めに変形ベッセル函数を用いて2次元ガンマ型分布を導入し,回帰函数や2変量の和,積および商の各分布が導かれる。又2次元のχ2-分布やF-分布等も研究される。
    次に多次元ガンマ型分布を標本論の応用から容易に得られる特性函数の逆変換により定義し,また多次元のWishart分布の特別な場合として導かれることも示す。これ等の結果を用いて,正規確率過程とは本質的に異るガンマ型確率過程が定義される,
    最後に正規変換と呼ばれる変換による相関係の変化の理論的考擦と,埼玉県南部に設定された雨量計網から得られた10分雨量の相関解析の結果から,実際の雨量の分布はガンマ型分布ではなく,このようにして変換された雨量がガンマ型分布をすると見倣した方が自然であることを示し,2次元または多次元ガンマ型分布は,ガンマ型確率過程と同様に変換された雨量に対して応用されるべきであることを述べる。
  • 川村 清
    1965 年 15 巻 3-4 号 p. 201-207
    発行日: 1965/03/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    汚染大気中における二酸化窒素濃度が光化学平衡にあると仮定して計算し,次の方程式をえた;
    ただし,k1およびk2はそれぞれオゾンと二酸化窒素および一酸化窒素との反応速度,kaは二酸化窒素による太陽紫外線の吸収速度,φ は二酸化窒素光分解の量子収率である。
    この方程式の妥当性をしらべるため,1964年4月と5月に東京の西郊外において,大気オゾン,二酸化窒素,一酸化窒素,および太陽紫外線の分光強度(波長,370~395mμ)の同時測定を行った。この測定からこれら汚染質濃度の大部分は1~3pphmの範囲内にあることがわかった。オゾンの測定値の大部分は上式から求めたオゾンの計算値より約2倍だけ大きい値をとったが,測定値における日変化と計算値のそれとの間にはよい平行関係があった。オゾン濃度における両者のちがいは上式中の速度常数が不確実であることから生じたかも知れない。もしこのちがいを無視するならば,日中時のオゾン濃度は共存する窒素酸化物の濃度によって支配されるということができる。
  • 杉浦 吉雄
    1965 年 15 巻 3-4 号 p. 208-215
    発行日: 1965/03/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    REDFIELDらの “preformed phospha” は,水塊が水面下に沈降する直前のリソ酸塩と考えているが,海面下にある水の現場の性質から前記の状況下にあった水の性質を判断することはできない。著者は,観測されたリン酸塩濃度が保存性と非保存性の二つの部分より成ることを,すでに前報で明らかにした。保存性リン酸塩は,リン酸塩濃度の観測値から非保存性リン酸塩濃度を差引いた残部に与えられるべき名称であって,それ以外の何物でもない。
    北洋の表層部はおそらく保存性リン酸塩濃度において,世界最高と思われる。その分布は海流系と密接な関係があり,北米大陸寄りで低い値を得るのは,南方の水の混入に基く。保存性リン酸塩濃度の高い北洋表層部の水は,側面および底面において,同濃度の低い水と接触しているにも拘らず,高濃度を保つのは何故か。アラスカ海流域は陸水の供給が豊富でリン酸塩濃度が高かるべきなのに,北洋の高濃度域に入らないのは,保存性リン酸塩の主供給源が他にもあることを示唆する。
    日本近海の酸素極小層における保存性リン酸塩の分布をみると,アリューシャン列島南方域より遂次,南下するにつれて,低下する。このことは,保存性リン酸塩の供給源が北洋の何処かにあることを暗示している。酸素極小層より保存性リン酸塩濃度の明らかに高い水は,北洋の表層部を除いては見当らない。従って,ここが供給源と考えざるを得ない。すなわち,保存性リン酸塩は,北洋の表層部から酸素極小層へ鉛直の混合によって運ばれるのである。然らば,当然,リン酸塩の豊富な下層の水がリン酸塩(保存性および非保存性)を表層部へ逆に同じ機構により運ぶこととなる。非保存性リン酸塩の形で下層から運ばれても,海面上の大気から酸素の供給を自由に受ける表層部では常にほぼ酸素飽和の状態にあるから,保存性リン酸塩と識別し難い。換言すれば,表層部では,保存性リン酸塩に変態する.かくして,リン酸塩は非保存性と保存性の別を問わず,表層部に運ばれれば,保存性となり,その扁部は鉛直混合で再び表層部へ戻る一方,他の一部は,生物体を経て非保存性リン酸に再生され,さきの保存性リソ酸塩と合し,鉛直混合によってともに表層部へ運ばれ,一つのサイクルを形成する。
    かくの如く,北洋表層部の保存性リソ酸塩は,下層より運ばれるのであるが,そのもっとも旺んなところを探すと,アリューシャン列島の中央部に近いベーリソグ海の南部であることが,表層下部における酸素飽和度の水平分布から明らかとなった。
  • 豪雪研究グループ
    1965 年 15 巻 3-4 号 p. 216-228
    発行日: 1965/03/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    1964年2月2日および3日に北陸沿岸の日本海上で雪雲の航空写真観測を行った。この観測時における雲の分布・様相の概要を,垂真写真の隻nosaic,斜写真および“multiplex”を使用して得た雲の heightcontour mapによって示した。
feedback
Top