Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
Print ISSN : 0031-126X
ISSN-L : 0031-126X
29 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 安田 延寿
    1978 年29 巻3 号 p. 109-123
    発行日: 1978/09/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    It is here tried to clarify the characteristics of turbulence in the atmospheric boundary layer based on the fundamental equations, that is, the Navier-Stokes equation and the first law of thermodynamics. From these fundamental equations, are derived equations which rule the second-order moments involving the turbulent fluctuations of wind velocity and potential temperature. In order to obtain a closed system of equations the equations of third-order moments are derived and MillionshchikoN's assumption on the probability function is assumed. Some simple solutions are analytically examined and the theoretical results are compared with some observational data in the atmospheric boundary layer.
  • 八木 正允, 岡村 存
    1978 年29 巻3 号 p. 125-140
    発行日: 1978/09/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    狭領域の数値予報モデルの横の境界値を作るために用いられるワン・ウエイのネスティング法のうちで,実用的にみて最良のスキームをみつけるために,次のスキームについて比較テストを行なった.
    (1)オーバー・スペシフィケーションを避けることを基本条件にしたもののうち,内域量から補外する部分に,
    i)最も単純な補外式を使ったもの(SEスキーム),
    ii)Sundstromの方法(SSスキーム),
    iii)広域モデルの空間差分量を利用したもの(SGスキーム),iv)岡村の方法(SOスキーム)
    (2)放射条件を利用したOrlanskiの方法(Oスキーム)境界付近に緩衝領域を設ける方法のうち
    (3)Perkey&Kreitzbergの方法(Tスキーム)
    (4)Daviesの方法(D1スキーム)とそれを簡単化した方法(D0スキーム)比較のための数値実験は,次の2つの場合に単純化して行ない,コソトロール・ランの値と比較された.
    (1)広域モデル値に,位相速度誤差を与えた場合.
    (2)狭域モデルのみに,孤立したじょう乱を与えた場合.結果は次の通りである.
    (1)誤差が少ない点からも,計算上の安定性の上からも,Tスキームが一番よかった.
    (2)D1スキームとD0スキームは,ほとんど同じ結果を得た.安定性はあるが,Tスキームに比べると,やや誤差が目立つ.ダンピング係数が大き過ぎることに,少し問題があるように思われる.
    (3)緩衝領域を設けないスキームの中では,今回新たに提案したSGスキームが最もよい.24時間積分の範囲内では,ほぼD1スキームと似たような結果を得たが,更に長時間の積分に対しては,不安定になる傾向がみられる.
    (4)Oスキームは,じょう乱の位相速度の決定に,かなり問題がある.
  • 成瀬 弘
    1978 年29 巻3 号 p. 141-150
    発行日: 1978/09/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    雲核測定用として,便利な熱拡散型チャンバーを試作した.この装置は温度制御が短時問に行われるので,雲核スペクトラムの測定に便利である.熱拡散型チャンバーによる雲核の測定において,チャンバーへ導入する空気の温度とチャンバーの温度が極端に違うと,異常な過飽和が形成される.そこで,規定の過飽和を得るために二つの温度制御方式について,チャンバ内の温度分布と雲核数の測定から調べた.その結果,Case2(Tt>Ta>Tb)における雲核数は,Case1(Ta>Tt>Tb)よりも1.4倍多かった.これはSaxena et a1.(1973)の実験ともほぼ一致し,一時的高過飽和が生じたものと推定される.したがって,温度制御方式はCase2よりもCase1の方が有効といえる.この熱拡散型チャンバーを用いて1976年8月静岡県富士市の製紙工場地域において,若干の測定を行った.その結果,日中における雲核濃度は,エートケン核数よりもSO2濃度との相関が高く示された.また,雲核濃度のピーク時のエーロゾル粒子は,減少時と比較して各過飽和度の測定範囲にわたって活性化しやすい性質を持った多数の粒子であった.これらの測定から,製紙工場地域から発生する硫酸塩粒子が雲核濃度に深く関係していることがわかつた.
  • 小長 俊二, 西山 勝暢
    1978 年29 巻3 号 p. 151-156
    発行日: 1978/09/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    1977年7月上旬に神戸海洋気象台春風丸により,切離冷水塊の中で2つの非常に興味ある現象が観測された(上平悦朗ほか(1978)).(1)は切離冷水塊の周辺部に環状に表面塩分の低い海域が存在していることおよび(2).冷水塊の中心のすぐそばに,周囲に比して異常に高温な観測点が存在していることである.前者は梅雨前線による降水が海山と渦の相互作用で環状に収束したものであり,後者は異常高温の大部分がXBTプローブの不良に帰せられるにしても,場所的に見て,テーラー柱の発生の可能性がある.
    また黒潮と切離冷水塊の挙動を第2紀南海山の位置から見て,切離冷水塊の発生から消滅まで第2紀南海山の影響を強く受げていたことが予想される.将来観測により確認する必要がある.
feedback
Top