急性扁桃炎, 急性気管支炎に対するCefadroxil (以下, CDXと略す) とCephalexin (以下, CEXと略す) の治療効果と副作用を比較検討することを目的として, CDX1日750mg (分3), CEX1日1,000mg (分4) それぞれ6日間経口投与し, 治療効果, 副作用, 有用性の両薬剤間での比較を二重盲検法により行い, 次の結果を得た。
1.急性扁桃炎に対し, CDX750mg/日投与は, CEX1,000mg/日投与に比し, 5日目の項目別検討 (主治医判定) では, 腫脹, 膿苔で有意に勝る傾向を示し, また, 赤沈充進では, 3, 5日目で有意に勝っていた。さらに, 全般改善度 (主治医判定および委員会判定) で有意に勝っていた。一方, 有効率ではCDX群86.7%, CEX群84.2%とわずかにCDX群が高かった。
2.急性気管支炎に対し, CDX750mg/日投与はCEX1,000mg/日投与に比し, 全般改善度ならびに各症状別改善度においてほぼ伺等もしくはやや上回る成績であった。
3.副作用の出現頻度はCDX投与群がCEX投与群に比し少なかったが, 有意差は認められなかった。
4.有用性については急性扁桃炎, 急性気管支炎ともに両薬剤群間に有意差は認められなかった。
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