CHEMOTHERAPY
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28 巻, 10 号
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  • 急性白血病併発感染症の治療への応用
    厚井 文一, 頼 敏裕, 依光 聖一, 時岡 正明, 北川 中行, 高橋 功, 喜多嶋 康一, 木村 郁郎, 安井 晃栄, 吉沢 圭子
    1980 年 28 巻 10 号 p. 1295-1303
    発行日: 1980/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    アミノ配糖体抗生物質であるTobramycin (TOB), Amikacin (AMK) の大量点滴静脈内投与を中心としてPenicillin, Cephalosporinの3剤併用投与を28例の急性白血病息者に併発した31回の感染エピソードに対して行ない, その臨床効果ならびに安全性について検討を加え, 以下の結諭を得た。
    1) 投与量はTOB 120~180mgを, AMK 300~400mgで, これを1時間の点滴静脈内投与し, 8時間間隔でくり返した。
    2) 平均投与量はTOBで7.0mg/kg/day (6.0~8.0), AMKは19.8mg/kg/day (150~26.0) であり, 投与日数は中央値でTOB 8.5日 (4~19), AMK 11日 (3~27) であった。
    3) 有効率はTOB+PC+CEP3投与群で68.8%, AMK+PC+CEPs投与群で73.3%であり, 全体で71.0%であった。
    4) 感染症, 形態別の有効率は, 肺炎72.7%, 敗血症100%, 局所膿瘍50.0%, 上気道炎100%, 感染巣不明75.0%であった。
    5) 副作用として一過性の腎障害を示した例の他, 低カリウム血症, 薬疹, 肝機能異常がみられたがいずれも可逆性であった。
    6) 健康成人男子2名にTOB120mg, AMK400mgを筋肉内投与, 点滴静脈内投与 (1時間および2時間) し, 血中濃度推移を検討した結果, ピーク濃度はいずれも1時間点滴静注時に最も高く, TOB 97μg/ml, AMK29.0μg/mlであり, ピーク濃度の血中半減時間は筋注時に最も長くいずれも約2時間であった。
    以上から, AMGの大量点滴静注法は, 臨床的に有効性が高くかつ安全な治療法であると思われた。
  • 感染条件の設定
    福岡 義和, 田井 賢, 山城 芳子, 保田 隆, 才川 勇
    1980 年 28 巻 10 号 p. 1304-1307
    発行日: 1980/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新たにマウスでのPseudomonas aeruginosa性肺炎モデル作製について検討を行ない, 次の結果を得た。
    被検菌の接種方法としてはガラスネブライザーによる噴霧気道感染方法が最も優れており, その際のガラスネブライザー中の被検菌液濃度とマウス肺内接種菌量とは相関した。
    マウス肺内への菌の定着性を増大させるためにはcyclophosphamide腹腔内投与が有効であり, 投与量は250mg/kgが至適であった。被検菌の接種はcyclophosphamide投与から5日後とした。この感染系ではマウス肺内被検菌の初期クリアランスがみられ, 若干の変動はあるものの菌接種後30~48時間以内に全てのマウスは死亡した。
    以上の実験系下では肺に炎症像が確認され, P.aeruginosaによる肺炎と思われた。
  • 熊本 悦明他
    1980 年 28 巻 10 号 p. 1308-1331
    発行日: 1980/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    尿路感染症に対するMezlocillin (MZPC) の有効性と安全性を評価するため, Carbenicillin (CBPC) を対照薬として, 多施設問での二重盲検法による比較試験を行った.
    対象は尿路に基礎疾息を有する成人の慢性複雑性尿路感染症の入院患者で, 薬剤投与前の尿中白血球敬が5コ/hpf以上で, かつ尿中生菌数が104コ/ml以上のものとした。投与期間は5日間とし, 効果の判定はUTI研究会の薬効評価基準に準拠して行なった。
    試験薬剤の投与された総症例は203例で, そのうち156例 (MZPC投与群81例, CBPC投与群75例) について効果の判定が可能であった。
    総合臨床効果はMZPC投与群81例中, 著効10例, 有効20例, 無効51例で有効率37.0%であるのに対し, CBPC投与群の75例では, 著効5例, 有効13例, 無効57例で有効率は24.0%であり, MZPC投与群の有効率が高く, 有意差傾向 (P<0.10) を認めた。
    細菌学的効果では, 菌の消失率はMZPC投与群で58.0%, CBPC投与群で46.1%であり, MZPC投与群での消失率が高く, 有意差を認めた (P<0.05)。
    副作用症状については, MZPC投与群で41%CBPC投与群で4.9%の発現率であり, 両薬剤群間で有意差はなく, 臨床検査値の異常についても, 発現率で両薬剤群間に有意差は認められなかった。
    以上から, MZPCは, 慢性複雑性尿路感染症の治療上, 有用な薬剤であると考えられた。
  • 青河 寛次, 杉山 陽子, 山路 邦彦, 中島 良文, 野口 雅志, 松川 利行
    1980 年 28 巻 10 号 p. 1332-1343
    発行日: 1980/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Cefoperazone (CPZ) 1gおよび2gを1時間で点滴静注し血清中濃度および婦人性器各組織内濃度を測定し, 薬動力学的解析を行い, 次の知見を得た。
    1.CPZの婦人性器各組織への移行は速やかで, 各組織内濃度の推移は血清中濃度と相関した。
    2.CPZ1gおよび29を1時間で点滴静注した際の血清中濃度および婦人性器各組織内濃度はそれぞれtwo compartment modelおよびthree compartment modelにより解析され, それぞれのsimulation curveの提示を行った。
  • 伊藤 均, 杉沢 裕子, 志村 圭志郎
    1980 年 28 巻 10 号 p. 1344-1350
    発行日: 1980/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    上気道アレルギーの免疫療法剤として用いられている細菌多価ワクチンの1種であるBroncasma Berna, は動物移植癌に対して抗腫瘍活性を示すことが知られている。今回は本剤および制癌剤併用時における網内系に対する影響をマウスを用いて検討した。
    本剤のi. p., s. c. およびi. n.投与群においては, 網内系の活性が有意に増加した。この活性化の程度は投与回数とほぼ平行関係にあり, phagocytic index [K] 値およびcorrected phagocytic index [α] 値の増加として認められた。さらにMFC療法 (Mitomycin C+5-Fluorouracil+Cytosine arabinoside) で発現する網内系機能の抑制は本剤との併用により防止された。
    また, Broncasma BernaおよびZymosan投与群では, 胸腺および脾臓の摘出臓器重量体重比が著しく増加した。一方, MFC投与群では, 各臓器重量とも減少したが, Broncasma Bernaの併用により防止された。以上により・臨床上, 広く行なわれているMFC Therapyにおいて発現する副作用の1つである網内系機能の抑制に対して, Broncasma Bernaは有効であることが明らかとなった。
  • 大越 正秋
    1980 年 28 巻 10 号 p. 1351-1358
    発行日: 1980/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 28 巻 10 号 p. 1359-1387
    発行日: 1980/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 28 巻 10 号 p. 1388-1429
    発行日: 1980/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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