前報で述べた様に,sulfonamides(S剤)の呼吸阻害については多数の報告がある。をして種々の酵素及び基質酸化の阻害について報告がある。その中でSEVAGandSHELBURNEはoxidation enzymesの阻止の度合と菌の生育の度合との間に直接的関係があることを証明して所謂呼吸阻害説を提唱した。Bacterial oxidative enzymesにたいするS剤の阻止については,pyruvatedismutation, carboxylase,dytochrome C, cytochrone C oxidase, cytochrome C reductase, peroxidase, catalase, dehydrogenases (g1ucose, lactate, glycerol, glucose-6-phoSphate ,sucrose,succinate), phosphatases, tyrosinase, cholinesterase, glutaminate, glcerol, lactate及びsuccinateの好気的酸化の阻止等の報告がある(第1表の綜説文献参照)。そこでここではS剤の呼吸阻害がどの基質の酸化にたいして著明であるかを検討することとした。この様な問題を取扱うのに今迄Warburg法及びThunberg法が用いられているが,前者は同時に同一材料で多数のsamplesを測定することは困難であり,また後者は定量的な結果を得難いのでこの目的に適しないし,またmethyleneblueとsulfathiazole(ST)の拮抗作用のために不適当と考えられる。そこでS剤と拮抗作用のないredoxdyesを使用してdehydrogenasea ctivityを測定することが望ましい。先に束村はpicricacidを水素受容体としてdehydrogenasea ctivityを測定することを提唱したが,picricaicdはSi剤と拮抗しないし,また同時に多数のsamplesの測定を定量的に好気的条件で行い得るのでこの目当に適当な方法と考えられた。しかしpicricacidのpicramicacidへの還元は,MBの其れと異なり,fiaveprotein又はfiavoprotein十xを介すると考えられるが,MBの様に還元機作を十分明かになし得ないうらみがある(この点tetrazolium saltsも同様)。そこでpicricacidを水素受容体として測定した結果をたんに基質酸化の指標とするにとどめ,これにWarburg法を併用することとした。またhomosulfamine(HS)の呼吸阻害については前報でも述べたが,呼吸阻害と基質との関係については文献がないのでここでS剤と比較した。
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