CHEMOTHERAPY
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36 巻, 8 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 亀山 仁一, 塚本 長, 千田 尚人, 関根 敬治, 岩谷 若夫, 浅野 泰司
    1988 年 36 巻 8 号 p. 549-553
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    家兎を用いて, 閉塞性黄疸時におけるcefbuperazone (CBPZ) の体内動態について検討し, 以下の成績を得た。
    1. CBPZの血中濃度は, 黄疸群 (総胆管結紮7日後の家兎), 急性結紮群 (総胆管結紮直後の家兎) ともに経時的に減少したが, 対照群 (健常家兎) に比較し高濃度で推移した。
    2. CBPZ投与6時間後の胆のう, 胆管内の胆汁中濃度は対照群, 急性結紮群に比べ黄疸群で低値を示したが, E. coliK. pneumoniaeに対する有効濃度以上の値であった。
    3. CBPZ投与6時間後の組織内濃度は, 肝臓, 胆管壁では対照群に比べ, 急性結紮群, 黄疸群で高値を示した。胆のう壁では対照群に比べ, 急性結紮群, 黄疸群で低値を示す傾向が認められたが, E. coliK. pnemnoniaeに対する有効濃度以上の値であった。
    以上のことから, CBPZは閉塞性黄疸を伴う胆道感染症にも有効な抗生物質であると思われた。
  • 鈴木 康義, 豊田 精一, 加藤 慎之介, 福士 泰夫, 星 宣次, 折笠 精一
    1988 年 36 巻 8 号 p. 554-557
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    硫酸アミカシン (AMK) 200mgを前立腺肥大症肝患者14例に点滴静注し, AMKの血清内および経尿道的に切除した前立腺組織内濃度, そして前立腺組織内濃度と血清内濃度の比 (tissue/serum ratio) を測定し, 以下の結果を得た。
    1) 前立腺組織内濃度は, 投与終了後75分後に14. 30μg/gと最高とたり, その時のP/S ratioは1.40と組織移行は良好であった。
    2) P/S ratioでみると, 14例中8例が1以上を示し110分後が2.13と一番高く, 平均±SD.は1.23±0.54であった。
  • Methyl-tetrazolethiolの関与に関する動物実験における検討
    宇野 勝次, 山作 房之輔
    1988 年 36 巻 8 号 p. 558-562
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    3位側鎖にtetrazole基を有するcephem剤による過敏症患者に対して, delayed-type hypersensitivity (DTH) におけるβ-lactam剤の交叉性について検討した臨床試験の成績を確認する目的で, 動物実験を試みた。実験動物にモルモットを使用し, 感作薬剤にLMOX, CPZ, ならびにLMOXやCPZの3位側鎖構造自体であるmethyl-tetrazolethiol (MTT) の3剤を用い, 交叉試験は遅延型皮内反応とleucocyte migration inhibition test (LMIT) の2つの方法で試験薬剤14剤について検討した。
    感作モルモットにおける遅延型皮内反応とLMITの結果はほぼ一致し, 臨床試験の成績を強く支持した。すなわちLMOXやCPZによるDTHでは, LMOXやCPZと同じように3位側鎖にtetrazole基を有するcephem剤だけでなく, MTT, MTTの類似構造であるhydroxyethyl-tetrazolethiol (HTT), およびcephem剤の母核構造である7-aminocephalospomnicacid (7ACA) にも交叉反応が成立した。一方MTTによるDTHでは, HTTだけでなく3位側鎖にtetrazole基を有するcephem剤にも交叉反応が成立した。
    以上の結果から, 3位側鎖にMTT基を有するcephem剤によるDTHでは, 抗原決定基として遊離MTT基と母核構造が強く関与し, そのため3位側鎖にtetrazole基を有する他のcephem剤に高率に交叉反応が成立すると考えられる。
  • 鈴木 幹三, 山本 和英, 足立 暁, 山本 俊幸, 白井 智之
    1988 年 36 巻 8 号 p. 563-568
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    最近, 剖検で経験した黒色甲状腺8例を臨床病理学的に検討し, minocycline (MINO) 投与との関連について考察した。
    1. 黒色甲状腺8例におけるMINOの投与期間は27~613日 (平均151.1日), 総投与量は5.3~110.6g (平均24.9g) であった。
    2. 甲状腺機能は6例で測定され, T3低下2例, T3およびT4低下1例, T3低下およびTSH上昇1例, 正常範囲2例であった。
    3. 病理学的には, 甲状腺濾胞上皮細胞内に無数の微小顆粒状褐色色素を認め, 組織化学的にメラニンまたはメラニン類似物質と考えられた。電顕では濾胞上皮細胞の胞体内に脂肪滴と混在して電子密度の高い顆粒状物質が多数みられた。
    4. 黒色甲状腺組織中のMINOの検出を5例で行ない, 3例は定性分析で証明され, 他の2例の組織内濃度は1.76μg/g, 1.73μg/gであった。
    以上, 黒色甲状腺とMINO投与の因果関係が強く示唆され, 黒色甲状腺の発現にはMINOの投与が一定量以上必要で, さらに宿主側の要因の関与が推察された。
  • 大石 正夫, 坂上 富士男, 大桃 明子, 田沢 博
    1988 年 36 巻 8 号 p. 569-577
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Cefteram pivoxilはcefteramとして抗菌作用をあらわし, その抗菌スベクトルはcefaclor (CCL) およびcephalexin (CEX) と同様, グラム陽性菌, 陰性菌に広く抗菌作用を示した。臨床分離のS.aureuss 20株はcefteramの0.78~>100μg/mlに感受性分布を示し, 3.13μg/mlに分布の山があった。白色成熟家兎に50mg/kgを経口投与して, 前房水内へは1時間後0.21μg/mlのピーク値が移行してみられ, この房血比は0.6%であった。以後は急速に減少して, 4時間では測定不能であった。投与1時間後の眼組織内濃度は, 外眼部で1.96~9.75μg/g, 眼球内部ではく0.05~4.4μg/g or mlの移行濃度が認められた。眼瞼炎, 麦粒腫, 瞼板腺炎, 眼瞼結膜炎, 急性涙嚢炎, 慢性涙嚢炎, 角膜浸潤, 角膜潰瘍の計25症例に, 本剤を1回200mg1日3回内服させて, 著効1例, 有効18例, やや有効2例, 無効4例の結果で, 有効率76.0%であった。症例中, CCL, cefadroxil (CDX), CEX, ampicillin (ABPC) に高度耐性を示したS. marcescens, P. vulgarisが検出された症例で, 同菌はすべてcefteramに高感受性を示して, 本剤が有効に作用した。副作用は1例にも認められなかった。
  • 第1報 Sarcoma-180腫瘍系
    椎尾 剛
    1988 年 36 巻 8 号 p. 578-582
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    レンチナンはsarcoma-180の固型疵には著効を示すが, 腹水癌には無効である。しかしながら, あらかじめ固型癌担癌としておいたマウスの腹腔に腫瘍を再移植した場合にはレンチナンは著しい延命効果を示す。
    レンチナンはsarcoma-180固型癌による随伴免疫の誘導および固型癌切除後に残存する随伴免疫の増強に効果が認められた。
    このsarcoma-180実験系ではレンチナンは手術前の投与でも手術後の投与でも腫瘍再発の抑制に有効であった。
  • 第2報同系腫瘍系
    椎尾 剛
    1988 年 36 巻 8 号 p. 583-587
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    腫瘍切除手術後のレンチナン投与はB16メラノーマ, L1210, およびLSTRAの自然転移を抑制し, 手術前投与よりもよい結果を示した。
    術後のレンチナン投与は非自然転移性腫瘍系 (MM102, colon26) の再移植担癌マウスの生存日数についても延命効果があった。レンチナンのこれらの抗腫瘍効果は腫瘍特異免疫を介するものと推測された。
    レンチナンは外科的手術によって生じる免疫低下の防止についても効果を示した。
  • 1988 年 36 巻 8 号 p. 588-593
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1988 年 36 巻 8 号 p. 594-605
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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