CHEMOTHERAPY
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35 巻, 12 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 併用療法について
    島田 剛
    1987 年 35 巻 12 号 p. 889-902
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    尿路分離P.aeruginosa54株のMICを測定し, 27株についてin vitroでのアミノ配糖体薬 (AGs) とβ-lactam剤の併用効果を検討した。また, β-lactamase阻害剤 (Clavulanic acid: CVA. Sulbactam; SBT) を添加した時の抗菌力に及ぼす影響についても検討した。
    P. aersrginosa 54株の106cells/ml接種時のMICはAGsではGentamicin, β-lactam剤ではCeftazidimeが最も優れMIC50は各3.13μg/mlであった。
    AGs 3剤 (Gentamicin, Amikacin, Micronomicin) とβ-lactam剤8剤 (Piperacillin, Cefoxitin, Latamoxef, Cefoperazone, Cefmenoxime, Ceftizoxime, Ceftazidime, Cefsulodin) を互いに組み合わせた系列を作製し, checkerboard法によりminimum FIC indexを求め併用効果を検討した。各組み合わせにおける平均minimum FIC indexはすべて1.0以下の値を示したが, CefeperazoneとAmikacinの併用効果が最も優れ, 平均minimum FIC indexは0.4567で相乗効果を示した株は19株 (70.4%) であった.Amikacin 3.13μg/mlの併用により全株がCefoperazoneに対し3.13μg/ml以下の感受性側への移行がみられた。振盪培養を用いた細菌増殖曲線における検討ではFIC indexの低いものが発育阻止作用が強く, FIC index値と相関した結果が得られた。
    第3世代β-lactam剤6剤 (Ceftazidime, Cefoperazone, Latamoxef, Ceftizexime, Cefmenoxime, Carumonam) にβ-lactamase阻害剤 (CVA, SBT) を1:1で添加しMICの推移を検討した。β-lactam剤単独の場合に比し, 阻害剤添加によりMICが2管以上低下した株はCefbperazoneとCVAの併用で6株 (22.2%) にみられた。MICが2管以上上昇した株はCeftizoximeとCVAの併用で多く認められ15株 (55.6%) であった。またAGsとβ-lactam剤の併用に, さらにCVA, SBTを添加してminimum FIC indexの変動を検討した。GentamicinとCefoperazoneにCVAを加えた場合, AmikacinとCefoperazoneにCVAを併用した場合にはFIC indexの軽度の低下がみられた。しかし, GentamicinとCeftizoximeにCVAを併用した場合, 平均minimum FICindexは0.6410から0.8872となった。2剤併用時には10株 (37.0%) が相乗作用を示したが, CVA添加によりFIC index 0.5以下の株は1株 (3.7%) のみとなった。CeftizoximeとCVAの併用は抗菌活性の低下をきたすことが示唆された。
  • 第1報: 正常家兎の腎組織内残留について
    長谷川 義和
    1987 年 35 巻 12 号 p. 903-912
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    家兎を用いてアミノ配糖体系抗生剤 (AGs) の腎組織内残留を中心とする体内動態の検討を行なった。AGsのうちGentamicin (GM), Amikacin (AMK) は投与後1~3週間にわたり腎組織内, とくに皮質に多く残留していた。Streptomycin (SM) は投与後3日まで腎組織内に残留したが, 3時間後で髄質において高濃度を示した以外は皮質, 髄質間の差異を認めなかった。GMについて投与量と残留量との関係をみると, 皮質においてはdoseresponseを認めたが, 髄質ではこの傾向を認めなかった。蛍光抗体法および酵素抗体法の手法を用いてGM, AMKの局在部位をマウスの腎で観察したところ, いずれも近位尿細管細胞内にその局在を認めた。
  • 第2報: ヒト正常腎組織内および家兎感染腎組織内残留について
    長谷川 義和
    1987 年 35 巻 12 号 p. 913-918
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    アミノ配糖体系抗生剤のヒト腎組織内への残留について検討した。Gentamicin (GM) 60mgを筋肉内投与した場合, 1週間以上にわたり一定量が残留し, 家兎におけると岡様に皮質に強い残留傾向を認めた。次に家兎の尿管に大腸菌を注入し, 実験的に腎盂腎炎を発症させた後GMを筋肉内投与し, その残留について健側との間で比較したが, 炎症の著明な初期には皮質, 髄質ともに患側が低値であった。家兎にGMを5日間連日筋肉内投与し, その腎組織内残留について単回投与の場合と比較したが, 連投により残留期間は延長するもののGMの蓄積傾向は認めなかった。
  • 7位側鎖に5員環構造を有するcephem剤過敏症における交叉性
    宇野 勝次, 山作 房之輔
    1987 年 35 巻 12 号 p. 919-927
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    β-lactam剤過敏症に大きく関与するdelayed type hypersensitivity (DTH) の成立を証明するleucocyte migration inhibition test (LMIT) のagarose plate法の間接法を用いて, 7位側鎖に5員環構造 (aminothiazotyl基, thienyi基. furyl基) を有するcephem剤による過敏症患者11例に対して, DTHにおけるβ-lactam剤の交叉性について検討した。過敏症患者11例に対するLMITの結果から
    1. 7位側鎖eeaminothiazolyl基を有するcephem剤によるDTHにおいて, 7位側鎖にaminothiazolyl基やthienyl基を有するcephem剤に交叉反応が成立すると考えられる。
    2. 7位側鎖reaminothiazolyl基を有するcephem剤によるDTHにおいて, 3位側鎖にaminothiazolyl基を有するmonobactam剤や6位側鎖にthienyl基を有するpenam剤, さらに7位側鎖にamino-phenyl基を有するcephem剤には交叉反応が成立しないと考えられる。
    3. 7位側鎖にthienyl基やfuryl基を有するcephem剤によるDTHにおいて, 7位側鎖にthienyl基やfury1基を有するcephem剤間には交叉反応が成立するが, monobactam剤には交叉反応が成立しないと考えられる。
    以上の点から. 7位側鎖に5員環構造を有するcephem剤によるDTHの抗原決定基に, cephem剤の側鎖構造と母核構造の両者が重要に関与していると考えられる。
  • 実験動物におけるCephem剤とmonobactam剤間の交叉性の検討
    宇野 勝次, 山作 房之輔
    1987 年 35 巻 12 号 p. 928-935
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    β-lactam剤過敏症に大きく関与するdelayed type hypersensitlvity (DTH) における臨床試験でのcephem剤とmonobactam剤間の交叉性を確認する目的で, 動物笑験を試みた。実験勘物にモルモットを使用し, 感作薬剤にCZX, CAZ, AZT, ならびに (Z)-2-(2-arninothiaool-4-yl)-2-(methoxyimino) acetic acid (AT-MIA) の4剤を用いた実験系で, 交叉試験は遅延型皮内反応とLMITの2つの方法で行なった。感作モルモットにおける遅延型皮内反応とLMITの交叉試験の結果は, 良く相関し臨床試験の成績とほぼ一致した。すなわち, 3位側鎖にaminothiazolyl基を有するmonobactam剤のAZTによるDTHでは, CZXの7位側鎖構造自体のAT-MIAによるDTHとほぼ同様な交叉性を示し3位側鎖にaminothiazoly豆基を有するmonobactam剤だけでなく, AT-MIAならびに7位側鎖にaminothiabolyl基を有するcephem剤にも交叉反応が成立することから, monobactam剤によるDTHの抗原決定基は3位側鎖構造に依存すると考えられる。一方, 7位側鎖にaminothiazolyl基を有するcephem剤のCZXやCAZによるDTHでは, 7位側鎖にaminothiazolyl基を有するcephem剤には交叉反応が成立するが, 3位側鎖にaminothiazolyl基を有するmonobactam剤や側鎖構造自体のAT-MIAには交叉反応が成立しないことから, 7位側鎖にaminothiazolyl基を有するcephem剤によるDTHの抗原決定基は側鎖構造とともに母核構造が重要に関与していると考えられる。
  • 1987 年 35 巻 12 号 p. 936-959
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 35 巻 12 号 p. 960-966
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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