ニラの葉の再生における同化産物の動態や各器官の役割を調べるため,
13C をニラに同化させた後に地上部を刈り取った.その後暗条件と明条件で再生させ,葉,りん茎,底盤および根の
13C 含量や分配を調査した.
13CO
2 同化処理終了時から地上部刈り取りまで,葉での
13C 含量および分配率は減少したが,根では増加した.刈り取り後,葉の再生に伴って,葉での
13C 含量や分配率は増加したが,りん茎や根での
13C 含量は減少した.刈り取り後対照区では,暗黒区に比べて,根での
13C 含量や分配率の減少が小さくなった.特に刈り取り10日後から,
13C 含量及び分配率における処理間の差が大きくなった.これらの結果から,葉の光合成によって生成された同化産物は,貯蔵器官であるりん茎と根に転流・蓄積される.また,刈り取り後の葉の再生に必要な同化産物は,りん茎や根から供給されるが,刈り取り約10日後以降からは,再生葉の同化能力の上昇によって,貯蔵器官に対する依存度は低下するものと考えられる.
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