1. 菜豆, 大根, 玉蜀黍の種子について, 100p.p.m. から0.0000001p.p.m.までの間に10段階のB
1添加區を作り發芽試驗を行つて無添加區と比較した結果, B
1添加ほ之らの種子の發芽を促進し, 又菜豆の古種子の發芽率を高める事が認められた。その最適濃度は0.01p.p.m.及びその附近であつた。又B
1添加の方法は浸種によつたがその場合の浸種間の長短と濃度との間には大した相異は認められなかつた。
猶この方法で行つた場合幼芽幼根の生育に及ぼすBの影響は比較的發芽初期に大である事ぶ認められた。
2. B
1添加の發芽促進機構を明かにするために先ず菜豆種子の發芽過程に於ける子葉及び幼芽幼根の結合型, 遊離型, 總B
1を調査した結果, 暗室内では明かに乾物重の減少に略平行してB
1は濃度及び1粒當りの含有量共に減少し, 浴光せしめると著しく増加する事が認められた。又發芽の進むにつれてBの形態は遊離型から結合型に移行する事が認められた。猶浴光により急増するB
1の形態は結合型であつた。
3. 1951, 1950, 1949, 1948年度産の菜豆の種子について發芽力とB
1との關係を求めて見たが, 發芽力の少い古種子程遊離型, 結合型B
1共に濃度, 及び1粒當りの含有量が減じていた。しかし全然發芽力のない種子にも或程度含有しその限界線は明かでなかつた。
4. B
1を添加すると子葉内のB
1は著しくその濃度を増加する。而してそのB
1の形態は最初は主に遊離型であるが發芽の進行と共に結合型に移行して行く事が認められた。又呼吸量もB
1添加區の方が大であつた。
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