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56 巻 , 3 号
June
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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総説
  • 廣田 栄子
    56 巻 (2013) 3 号 p. 199-211
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 本研究では日本における自治体等ベースの新生児聴覚スクリーニング検査後の早期診断と早期療育の効果に関する最近の研究レビューを米国等の結果と比較し, わが国における療育研究の経緯を検討することを目的とした。
    医学中央雑誌とCiNiiの和文データベースにより, (小児難聴OR難聴OR聴覚障害OR耳鼻咽喉科) AND療育の検索式を用いて, 聴覚障害児の療育に関する研究を検索した。期間は1900年 ~ 2013年の原著・総説とし, 243件検出した。その間の主な研究テーマは, 順に小児難聴診断, 重複障害児療育, 人工内耳と新生児聴覚スクリーニング検査 (NHS) と変化し, 言語リハビリテーションに拡大した。
    わが国では2006年に約60%の産科参院施設で新生児にNHSが実施され, 早期診断が進められており, 早期診断により早期療育が開始されていたことは明らかであった。しかし, NHSの受検が非受検児と比べて, 言語発達に良い影響を及ぼすかについて明らかなエビデンスは乏しいといえる。既にわが国では母子保健法による乳幼児期の健診システムが実施されているので, NHS後の追跡率は米国と比べて高く, 今後, 全幼児を対象とした聴覚ヘルスケアシステムの地域事業と, NHS後の経過観察プログラムを同時的に実施することの重要性が示唆された。
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原著
  • 小渕 千絵, 廣田 栄子
    56 巻 (2013) 3 号 p. 212-217
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 若年者と高齢者を対象に, 単語識別におけるアクセント情報の影響について検討した。標準的なピッチアクセントである標準アクセントと, 第1, 第2母音のピッチパターンを逆転させた誤アクセントの2種で録音した2音節単語を, 至適音圧 (40dBSL) と低音圧 (20dBSL) の2種の音圧条件で提示し, 対象者に聴取させ, 聴取した単語を書き取らせた。この結果, 単語識別においては, 加齢, 提示音圧, 誤アクセントそれぞれの影響によって正答率の低下と誤答率の上昇をみとめた。特に高齢者では, 提示音圧の低下と誤アクセントによる単語識別への影響がみられたが, 年齢, 聴力, 語音明瞭度といった個人属性との関係はみられなかった。一方若年者では, 提示音圧低下による誤アクセントの影響が大きかった。高齢者の単語識別における韻律情報の利用については, 若年者とは異なる傾向を認め会話時などの配慮の必要性について指摘した。
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  • 坂田 俊文, 上野 哲子, 市川 大輔, 大庭 哲, 久保田 由紀子, 中川 尚志
    56 巻 (2013) 3 号 p. 218-225
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 聴覚過敏に対する不快閾値検査の有用性には賛否両論がある。そこで検査精度を向上させるための先行調査として, 対象を一側性急性低音障害型感音難聴に限定し, 純音の提示条件を変更して, 結果の違いを検討した。連続的に音量増加させた従来の不快閾値検査を検査C (conventional), 音量増加の前に無音状態を挿入したものを検査M (modified) とした。33例を初診時における聴覚過敏の有無で2群に分け, 初診時検査Cと検査Mを比較した。患側では両検査とも有意差を認めなかった一方, 健側では500, 1000Hzの検査Mで有意な低下を認めた。11例では, 聴覚過敏のある時期とその前後の聴覚過敏ない時期とで経時的変化を観察した。聴覚過敏のある時期では両検査とも両側で閾値低下を認め, 健側500Hzの検査Mは最も低い危険率を示した。音の提示方法や提示側の再考で, 聴覚過敏に対する検出力の向上が期待された。
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  • 鈴木 恵子, 岡本 牧人, 鈴木 牧彦, 佐野 肇, 原 由紀, 井上 理絵, 大沼 幸恵
    56 巻 (2013) 3 号 p. 226-233
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 『きこえについての質問紙2002』 の 「コミュニケーションストラテジー」 尺度への難聴者482例 (補聴前) の回答を分析した結果; 1. 因子分析により 「要請型ストラテジー」 と 「自助型ストラテジー」 の2因子が抽出された。2. 高齢群では重症度が軽いとストラテジーを活用しにくいが, 若年群では重症度による差がなかった。3. 年齢群間, 群内の比較ともに, 概して高齢群は 「要請型ストラテジー」 に, 若年群は 「自助型ストラテジー」 に頼る傾向が強かった。4. 主観的な 「聞こえにくさ」 が強い例 (スコア3.5以上) が, ストラテジーをより頻繁に用いていた。5. 高齢群で 「心理社会的影響」 が大きい程, 「自助型ストラテジー」 を頻繁に用いていた。
    これらの結果をもとにライフステージとストラテジー活用の関係を考察し, 若年者におけるより意識的なストラテジーの活用, および軽度・軽中等度高齢者における 「自助型ストラテジー」 の活用を促す介入の重要性を指摘した。
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  • 熊谷 晋一郎, 綾屋 紗月, 武長 龍樹, 大沼 直紀, 中邑 賢龍
    56 巻 (2013) 3 号 p. 234-242
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 本研究では一般大学生を対象に, カルファの聴覚過敏尺度日本語版 (6件法) による質問紙票調査を行い, スコアの平均は16.9点, 標準偏差は11.6点で, 上位5%のカットオフ値はおよそ40点であること, さらに聴覚過敏尺度が 「選択的聴取の困難」 「騒音への過敏と回避」 「情動との交互作用」 の3因子構造を持つことがわかった。また, 聴力異常の既往, 抑うつ症状, 性別, 顔面神経麻痺などよりも, 「不安症状」, 「睡眠障害」, 「頭頸部手術の既往」 の3つの危険因子が有意に聴覚過敏と相関していることが明らかとなった。また重回帰分析の結果, 前2者は各々独立に聴覚過敏と相関していた。このことは, 聴覚過敏を主訴とする患者の診療において, 不安障害や睡眠障害の合併に目を向けることと, 頭頸部手術後のフォローアップにおいて聴覚過敏に目を向けることの重要性を示唆している。
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  • 鈴木 美華, 岩崎 聡, 西尾 信哉, 鬼頭 良輔, 茂木 英明, 工 穣, 宇佐美 真一
    56 巻 (2013) 3 号 p. 243-248
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 難聴の原因遺伝子変異 (GJB2CDH23) が判明した小児人工内耳埋め込み症例を対象に, 聴神経複合活動電位 (Electically Evoked Compound Action Ptential: ECAP) を用いた神経反応テレメトリ (NRT) による術中の反応率, 測定閾値, 振幅増加関数値について検討を行った。GJB2遺伝子変異及びCDH23遺伝子変異症例と難聴の原因不明症例を比較したところ, NRT測定閾値では3群間で有意な差が認められなかったが, 振幅増加関数値ではGJB2遺伝子及びCDH23遺伝子変異症例が原因不明症例より高い傾向にあった。以上により, 神経反応テレメトリの振幅増加関数値は内耳ラセン神経節の病態を反映している可能性があると考えられた。今後神経反応テレメトリ検査の有用性を評価する上で, 詳細な難聴の原因別に測定結果を評価していく必要があると思われた。また, 術後のマッピングにおいては, 難聴の原因や病態などの客観的情報を考慮することが必要であると考える。
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  • 中津 真美, 廣田 栄子
    56 巻 (2013) 3 号 p. 249-257
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 聴覚障害の親をもつ健聴の子ども (CODA) における親への通訳は, 情報伝達に止まらず親と社会との仲介役を担い, 子どもの立場ながら親をケアする役割が求められる。本研究では ,CODA 21名と聴覚障害の親19名を対象に, 多面的感情状態尺度短縮版8因子24項目 (5段階評定) と半構造化面接を用いて, 通訳場面に抱く心理状態と経時的変容を後方視的に解析した。評価点について探索的な因子分析 (主因子法) により因子を抽出し, 因子得点を算出した。
    その結果, 通訳場面に抱く心理状態5因子を抽出し (因子負荷量0.4以上), 充足, 戸惑, 不満, 深慮, 悠長と命名した。CODAと親は, CODAの成人期では概ね肯定的な心理状態を有した。CODAは, 青年期では成人期と比べ戸惑感と不満感が高く, 充足感と深慮感は低かった。CODAの充足感は親と比べて成人期も低く, 面接情報からも通訳役割が長期に渡りCODAの心理的な負担状況をもたらすことが推測され, 生涯発達的観点からの支援の必要性が示唆された。
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